雑誌『おとなスタイル』2018年春号(2月25日発売 掲載ページP70~71)
特集「乾燥、小じわ、不安定...ととのえたい、春のゆらぎ肌」に慶田院長の監修記事が掲載されました。
乾燥が止まらない、くすむ、小じわが増えた、いつも使っている化粧品がチリチリする、化粧のりが悪いなどの、肌状態がゆらいでしまう"春"、大人ならではの不調を招く原因と対策をお伝えします。
<4つの原因が絡み合うおとなの春のゆらぎ肌>
木々が芽吹く3月。寒さが和らいできて、心地よい季節を迎えるこの時期に、肌の乾燥や小じわ、不調を感じる人が増えてきます。
5 月のゴールデンウイークが明ける頃まで、こうした"ゆらぎ肌"に悩む方が多くなります。ではなぜ、肌はゆらいでしまうのでしょうか? おとなの肌に不調が起こる原因は4つあります。
1つ目は、バリア機能の低下。湿度、気温ともに低い冬のあいだ、肌は乾燥により水分量が低下し、さらに冷えによる血行不良で栄養や水分が肌に巡らない状態 が続いてしまいます。そのため、春先の肌はバリア機能が脆弱になっていて、ちょっとした刺激でも肌は反応してしまい不調に傾きます。
2つ目の原因は、この季節多くの人が悩まされる"花粉"の刺激です。花粉は、人によっては花粉性皮膚炎という疾患を引き起こすほどのダメージになります。最近では、PM2.5を含む黄砂などの大気汚染物質と結合して飛散して、花粉単体よりも肌に大きなダメージ を与えていると言われています。そのため、花粉症でなくても肌が影響を受けてしまう人は多く、微弱でも炎症が続くことで肌はよりもろくなり、刺激により小じわが増えることもあるのです。
3つ目は、自律神経の乱れの影響です。春先は生活環境が変わりやすい時期で、知らず知らずに体も心も疲れてしまっていることが多いようです。そのため自律神経が乱れやすくなりがちで、心と密接につながっている肌の調子も不安定になります。
4つ目は、最大かつベースとなる原因おとなスタイル世代が更年期を迎えていること。これは春に限ることではありませんが、女性の肌は40代に突入すると肌のターンオーバーが遅くなり、肌本来が持つ水分を保持する力が低下してきます。さらに、更年期に入ると女性ホルモ ン"エストロゲン"の低下により、肌の水分保持力はさらに弱くなり、乾燥スパイラルに陥ってしまいます。
つまり、女性は年齢を重ねるほどに、春のゆらぎ肌に悩まされてしまうのです。
<ゆらぎ肌の主な症状>
●小じわ
水分を保持できず乾燥が進んだ肌に現れる。放置すると深いしわの原因に。
●くすみ
血行不良や肌のターンオーバーが乱れていることで起こる。
●チリチリ刺激
バリア機能が低下している状態で、かゆみや刺激を感じる。
<こんなケアを心がけましょう!>
1.紫外線ケアは早めに
シミはもちろん、肌の乾燥やシワ、たるみを引き起こす紫外線の量は、春先の3月頃から急に増えはじめます。SPF30程度の日焼け止めをヨレないよう均一に塗り、そのうえにパウダーを重ねて、紫外線防止効果を高めましょう。肌があれてしまっていると、日焼け止めの刺激が気になるという人は、ノンケミカルのタイプを選んで。
2.基本ケアを見直して
肌がゆらいでいるときは、化粧水、乳 液、クリームの基本のケアを見直してみましょう。高機能化粧品などは、脆弱な肌には刺激となる成分が配合されていることもあるので注意が必要なことも。保湿力が高く、老化を促進する肌サビを除去する抗酸化成分や、肌のターンオーバーを整える成分が配合されたスキンケアであるとなおよいです。
3.保湿力が高いアイテムを
肌がゆらいでいるときは、保湿ケアが何よりも大切。水分を補うだけでなく、水分を抱え込む能力の高い保湿成分が配合されたスキンケアを選びましょう。保湿成分のなかでも、ヤシ科の植物、ビンロウ樹の種子から抽出したアレカカテチュエキスは、保湿効果はもちろん優れた抗酸化作用もあり、おとなのゆらぎ肌にはおすすめです。
4.スペシャルケアよりも基本のケアを
肌の不調を感じると「何かしなくては!」と慌てて、スペシャルケアを投入したくなりますが、そこは我慢!そうしたお手入れは肌の刺激となって、より悪化することがあります。むしろ、化粧水、乳液、クリームの基本のケアを朝晩きちんと行ってバリア機能を高め、日焼け止めで紫外線や大気汚染物資の刺激から肌を守ることが大切です。
春は特に肌がゆらぎやすい季節です。おとなならではの不調を招く原因と、その対策を学びましょう。
是非、ご一読ください。