雑誌『家庭画報』2018年6月号(4月28日発売 掲載ページP200~201)
特集「あの頃の〝日焼け時代〟五〇代からの実感美白」に慶田院長の監修記事が掲載されました。
【女性皮膚科医による複合ジミの最新治療法 若々しさを保つアンチエイジング美白のすすめ】
Q.
顔、背中、手の甲に濃いスポットシミや、もやもやがどんどん目立つようになってきました。
A.
若いときに受けたダメージは、もとに戻せませんが、トラブルを解消することは可能です。
紫外線のダメージは私たちの体にとっても深刻なものです。そのためメラニン色素を増やすことで紫外線を遮断して防ごうとしているのですが、たとえ窓ガラス越しの弱い日差しや短時間の外出でも、何年も繰り返し浴びると完全には防ぎきれず、ダメージが蓄積されていきます。特に若い頃からリゾートに出かけたりやアウトドアスポーツで日焼けを重ねてきた世代は、すでにかなりのダメージを抱えているでしょう。
以前はそれほど濃くなかったシミがだんだん目立ってきたというのは、残念ながらすでにそれだけのダメージをため込んでいる証拠です。それらを全部ゼロに戻すことはできません。ただ紫外線のダメージ自体は解消できないにしても、シミなどの日焼けトラブルは、適切な治療を行うことで見違えるほど明るくきれいにすることができます。
その際、まず紫外線防御を徹底することが大前提です。紫外線への抵抗力が低下していますし、近年、皮膚がんが増えているのも、長い人生で大量の紫外線を浴びてきた高齢者が増えたこととかかわりが深いと考えられています。美容だけでなく健康維持の為にも、徹底的に紫外線を避けてください。
Q.
レーザーや美白施術は根深いシミには効かないと聞きました
A.
複数のシミやくすみが混在するシニアの肌には複合的な治療が効果的です。
シミには、いわゆる日焼けによる日光性色素斑(老人性色素斑)や肝斑、部分的に盛り上がっている脂漏性角化症、虫刺されや摩擦刺激の炎症などでも起こる色素沈着や黒ずみ、そばかす、太田母斑など、いろいろな種類があります。これまでに大量の紫外線を浴びてきた日焼け世代の多くのかたには、こうしたタイプのシミが複数混在しています。また、年齢とともにターンオーバーが遅れがちで、角質層が厚くなり、顔全体が暗くくすんできます。
そのため、気になるシミだけを解消すると、顔全体のくすみに対して、その部分が明るく目立つため、老人性白斑に見えたり、他のシミがよけい濃く目立ったりすることになります。シミの種類によってベストな治療法は異なり、複数のトラブルを改善するのには時間もかかりますが、日焼け世代のかたが美しい透明感を希望されるなら、やはりトータルな治療をおすすめします。
【あの頃の痕跡を消す最新治療法〝ホームケア〟と〝クリニックでの施術〟の併用治療が、美白への最短距離】
自宅での徹底的ケアが治療の効果をより高める
気になる濃いシミだけをピンポイントで解消しても、点在する小さなシミや顔全体を覆うくすみを一掃しないと、明るく冴えた美肌には到達できません。
いちばん効率的なのは、まず自宅で代謝を高め、くすみを解消するケアをしてから、クリニックでそれぞれのシミに適したレーザー治療を受けることです。これなら、あらかじめくすみが改善されているのでレーザー照射部位が白く目立つこともありませんし、代謝も高まっているのでかさぶたの期間も最短ですみます。
その後も、自宅でアフターケアをしていただくことで、色素沈着が目立っていたかたも、見違えるほど肌が明るくなって、患者さん自身が驚かれるほど。透明感を取り戻せますよ。
最先端の美容医療は、濃いシミも顔全体のくすみもトータルに治療ができます。最新のシミ治療器ピコレーザーは、照射時間がピコ秒単位(1ピコ秒は1兆分の1秒)と短く、熱発生がほとんどないため、痛みや皮膚へのダメージが少ない治療が可能になりました。施術前後のホームケアを行うことで、ターンオーバーを促しメラニンの排出や肌の修復力を高めます。
〝あの頃〟浴びた紫外線はなかったことにはなりませんが、飛躍的に進化した最新の美白ケアで、過去の紫外線ダメージをリセットし、若々しい透明肌を取り戻しましょう。
是非、ご一読ください。