雑誌『美的』2021年1月号(11月22日発売 掲載ページP60~P67)
特集『今からでも!育ちのいい肌』に慶田院長の監修記事が掲載されました。
本格的な寒冷乾燥シーズンに、マスクによる摩擦が加わり、この冬、肌環境は一段と過酷に。特に大人にとっては、応急手当的なケアではなく、肌を「育てていく」必要が高まってきます。バリアを整えるべく育てた肌は"乾燥しない" "ゆらがない" "くすまない"本物の強さのある肌と言えるでしょう。真の透明感となめらかさを備えた肌であり、数年後、必ず大きな差がでることでしょう。
この冬、どう肌を育てるのが正解なのか、スキンケア・ベースメイク・インナーケアまでみっちり解説しています。
【結論!大人の肌の分かれ道は"肌の育て方"にあり】
■肌悩みに効くコスメばかりではなく、悩みの根っこに目を向けて
最近、スキンケアはYouTuberやインフルエンサーのおすすめを参考にするという方が増えているようです。スキンケアへの興味が盛り上がっているのは良いことですが、気になるのは楽しそうな情報ばかりつまみ食いして、皮膚の構造や機能、病態といった本質に目を向けていない方が多いこと。毛穴やくすみ、乾燥などの悩みに効くコスメには夢中だけれど、「なぜそういったトラブルが起きてしまうのか」という根っこの部分を考えていない。ダンスに例えると、手足の動かし方ばかり覚えようとして美しい表現の基本である、体幹を鍛えることが抜け落ちているような状態です。毛穴にお悩みを持つ方が、気にしすぎて毎日毛穴の角栓を押し出したり、ぐいぐいマッサージしたりすると、かえって刺激によって角栓が大きくなったり、炎症を起こして赤くなったりすることがあります。お手入れの本質を知って、肌全体のケアを見直し本物のキレイな肌を育てましょう。
■自分の肌を育てて、磨き上げていくお手入れを
髪質や身長と同じように、肌質は遺伝子によってある程度決められています。きめが細かいものの乾燥しやすくしぼみがちな桃肌、きめが粗く毛穴が目立ちやすいもののパンとしたハリがあるミカン肌。決してどちらがいいというものではなくて、それぞれに良さがあり、欠点もあります。桃なら緻密さと強さを兼ね備えた上質な桃、ミカンなら皮が柔らかくなめらかな温室ミカンを目指しましょう。自分の肌質なりの最高の美しさであれば、努力することで手に入れられます。
■皮膚はひとつの臓器。健康な体をつくることが美肌を育てる
皮膚の材料になる食事は、美肌を育てるにはとても重要です。美肌を意識する方の多くが野菜の摂取は出来ているのですが、たんぱく質や脂質が足りていません。肌の構成要素のほとんどはたんぱく質や脂質なので、野菜ばっかりではスカスカの肌になってしまいます。食べたものをスムーズに吸収して全身にいきわたらせるには、腸内環境を整えることも大切です。もちろん、再生を効率よく促す睡眠や運動も欠かせません。慶田院長が提唱する美肌のための、『生活の5本柱』をご紹介します。食事・睡眠・排泄(腸内環境)・運動習慣・ストレスコントロールです。これらは互いに影響し合って、健康な体と肌が育ちます。その肌を外からメンテナンスして、さらに美しく引き上げていくのがスキンケア、というわけです。
皮膚は目で実際に見て、手で簡単に触れることのできる唯一の臓器です。だからこそいろいろいじり倒したくなってしまいがちですが、過剰に触ったり、こすったり、押し出したりなどでダメージを与えず、大切に育てていきましょう。
【実は美肌を育てる要となる「バリア機能」って?】
■美肌を育てることはバリア機能を育てること
肌の最表面にある、厚さ0.02㎜の「角層」。NMFという水性の保湿成分を含んだ「角質細胞」が綿密に並び、その隙間を脂性の保湿成分「細胞間脂質」が埋めつつ水層を挟み込んで潤いを保っています。角層が健康だと、外敵の侵入を防ぐバリア機能が高く、潤って美しいな肌になります。
■バリア機能が低下するとさまざまなトラブルが発生
間違ったスキンケアをしたり、食事や睡眠などの生活が乱れたりすると、角層の代謝が乱れて健康な角質細胞が育たなくなります。細胞間脂質も作られにくく、クレンジングや洗顔などで流出して量が減り、スカスカの状態に。すると外的刺激が侵入し、さまざまな肌トラブルを引き起こすのです。
【トラブルに悩まない美肌を育てるための7か条】
もって生まれた肌質を生かし、ゆらぎにくく、さらにはエイジングが緩やかで最上級にキレイな肌を育てるのに必要なことは何でしょうか。7か条をご紹介します。
01.美容液よりもクレンジングがバリア機能を左右する。
"落とす"ことにもっと目を向けて!
当院で患者様にご利用いただいている、泡状洗顔料の「アクセーヌ リセットウォッシュ」(銀座ケイスキンクリニック取扱い ¥3,000/200ml)は、肌に優しいアミノ酸系洗浄成分を配合。余分な角質を除去して肌を柔軟に整えます。ボトルからスフレのようなきめ細かい泡ででてくるので、肌に負担をかけずに泡洗顔できます。
02.飛び道具で美肌になれると期待していませんか?
地味なスキンケアをもっと大切に。
当院オリジナルの『セラミドバリアクリーム』(銀座ケイスキンクリニック取扱い¥5,000/30g)は天然セラミドが主成分で、水分保持力・抗炎症作用が高く、季節の変わり目のゆらぎやすいお肌や、敏感に傾きやすいお肌をやさしく守ります。
03.日焼け止めに「今日はいいや」はあり得ない!
UVケアは冬でも毎日必要です。
一年365日紫外線は降り注ぎます。UVAは窓ガラスを透過し、冬でも減らないので日焼け止めは毎日塗りましょう。
04.ビタミンや食物繊維も大事だけれど、
肌を育てるのはたんぱく質と脂質。
美容意識の高い女性に食生活を伺うと、多くの方が野菜中心や糖質オフを意識しているようです。でも、肌の構成要素は主にたんぱく質、細胞ひとつひとつの細胞膜は脂質で出来ています。肉や魚、乳製品、豆類などたんぱく質は幅広く食べ、脂質もしっかり補いましょう。もちろん、野菜類や主食も必要で、バランス良く食べることが栄養素を効率的に使うことにつながります。また、発酵食品も意識して摂取をしましょう。腸内環境を整えると肌の水分量が上がることが、複数の研究によって明らかになっています。
05.バリア機能が修復するのは睡眠中。
睡眠不足が老化を加速!
1日3~4時間といった睡眠状態が続くと、脳が酩酊状態になり、判断力はじめ、体のあらゆるパフォーマンスが落ちることがわかっています。また、日中の活動や外的刺激によってダメージを受けた肌が修復の活動を行うのは、夜の睡眠中。睡眠時間が少ないと即時的に肌の調子が悪くなるのはもちろん、肌の修復が追いつがず、老化が進行してしまいます。さらに、肌に悪影響を与える精神的ストレスも、睡眠不足と密接に関わっています。理想的には6~7時間ですが、無理な日は最低でも5時間は寝るようにしましょう。
06.運動は美肌に欠かせない。
ただし「何をやるか」には注意が必要!
運動をすると筋肉量が増えて代謝があがったり、成長ホルモンの分泌が促されたりという事実は古くから知られていましたが、最近の研究で体操による筋肉刺激を続けることでシミやシワが減ったというデータがあります。体を動かして筋肉を保つことは、スタイル維持だけでなく美肌にも欠かせないのです。ただし朝のランニングなど太陽光の下での激しい有酸素運動は紫外線を浴びて光老化や酸化につながるので注意が必要です。肌のためには筋トレとストレッチ、ウォーキング、ダンス、ゆるい水泳などがおすすめです。
07.プロの手も取り入れてメンテナンス。
美容医療の力を借りて!
肌全体のコンディションを底上げする肌質改善治療の『フォトフェイシャルM22』が効果的です。当院では『フォトフェイシャルM22』の照射前に乳酸によるケミカルピーリングで角質を滑らかにし、毛穴の詰まりを解消してから施術します。ニキビもできにくくなりますし、肌のバリア機能も高まります。
是非、ご参考になさって下さい。