雑誌「女性セブン」2021年4月8日号 (3月25日発売)
特集「私が脱毛する理由」(掲載P106~P110)に慶田院長の監修・取材記事が掲載されています。
【アンダーヘアがあるのはありえない時代に!私が脱毛する理由】
VIO(アンダーヘア)のレーザー脱毛をする方が、当院でもここ最近増えてきました。今まさに「アンダーヘア完全脱毛時代」に突入していると言えます。若者の間では「ケアしないのは恥」と言われるまで、脱毛が当たり前のマナーなっていることや、それが介護を目前にした中高年・高齢者の方々にも広がっているのが現状です。時代と共に当たり前になりつつあるVIO脱毛についてより理解を深めましょう。
■アンダーヘアの脱毛率は眉毛より高い!
多くの人が脱毛する部位は「わき」「すね」「腕」などの"人に見られる部分"ですが、人に見られることはあまりない部分にもかかわらず、「アンダーヘア」の処理を眉の処理以上に気をつけている人が多いことが分かりました。
当院でアンダーヘア(VIOライン)を『レーザー脱毛』する40代以上の女性の患者様は、2017年と2020年で比較すると、6倍以上も増えています。30代未満の女性の半数近くが"ハイジニーナ"(アンダーヘアを全て無毛にした状態)を希望しています。これまでは水着のラインに合わせてVラインだけを処理するか、あるいは女性器まわりのIラインだけ、肛門まわりのOラインだけと、パーツ別に処理するのが主流でしたが、最近は将来の介護を見据えてか、若い世代の潮流に押されてか、V・I・O全てのパーツを脱毛する40代以上の女性が増えています。
■日本はアンダーヘアの脱毛後進国!?
そもそも欧米では、衛生的な観点やエチケットとして"ハイジニーナ"が主流です。それに比べると、日本はまだアンダーヘア脱毛の後進国です。性器を守るために必要だと考えている人も多いようですが、今は清潔な下着がその役割を果たしてくれていますから、毛は絶対に必要なものではありません。むしろ生えていることで、経血や尿がついてムレ、においや雑菌の温床となり、衛生的ではありません。アンダーヘア脱毛は今後さらに一般的になるでしょう。
【アンダーヘア脱毛を50代前半までにした方が良い理由!】
「わき」「すね」「腕」の毛や「アンダーヘア」、全て処理をしても、体に悪影響を及ぼすことはありません。特にアンダーヘアは、介護を受ける年齢になった時、自分の為はもちろん周りの介護をしてくれる人たちにも迷惑かけないよう、永久脱毛をすることをおすすめします。しかし、脱毛する人は多いけれど意外と正しい方法を知らず、肌を傷めたりしているようです。脱毛のメリット・デメリットを知り、脱毛方法の違いを理解しましょう。まだ脱毛されていない方は、自分に最適な方法で脱毛を始めて、清潔に健やかに過ごしましょう。
■おむつを常用する高齢者の深刻な問題
私は以前、療養型病床のある病院の皮膚科で勤務していたのですが、こういった病院では、寝たきりの患者のおむつ交換の時間が決まっています。つまり、汚れていてもすぐには取り替えられないのです。となると、おむつは長時間つけっぱなしになり、尿や便が陰部周辺やアンダーヘアにこびりついて取れなくなってしまいます。本人も不快でしょうし、介護・看護する側も大変です。しかもこれが何度も続くと「IAD(失禁関連皮膚炎)」を引き起こしやすくなります。
「IAD」とは、バリア機能が低下した肌細胞の隙間に尿や便の成分がしみて、ただれや痛みを引き起こす皮膚炎のことで、おむつを常用する高齢者の間では深刻な問題となっています。この皮膚炎は、アンダーヘアを永久脱毛しておくことで、かなりの改善が見込めます。
しかし、アンダーヘアの永久脱毛は40代か、遅くとも50代前半には済ませておかないと難しいです。なぜなら、脱毛の光レーザーは毛の"黒い色素(メラニン)"に反応するので、白髪には反応しません。アンダーヘアに白髪が混じると完全に脱毛することができなくなってしまうのです。40代だと、「介護だなんてまだだ」と思われるかもしれませんが、早めの準備が必要です。
■医療脱毛・サロン脱毛・セルフケアの違い
アンダーヘアに限らず、いざ脱毛をするとき、どの方法を選べばいいのか迷う方も多いのではないでしょうか。一番おすすめの方法は、"医師の手によるレーザー脱毛"です。ほぼ無毛の永久脱毛(医学的な定義では80%の長期的な減毛状態ですが、実際には95%以上減毛します)ができるだけでなく、さらにレーザーの作用で毛穴がしまってシミやくすみも改善され、きめが整います。目立つ太い毛が生えてこないので、剃毛で肌をこれ以上傷めることもありません。どの方法にすべきかは、それぞれ下記のメリット・デメリットを考え、自信で納得したうえで決めましょう。
『医療脱毛(レーザー脱毛)』
医療用のレーザーを照射することで、毛根にある毛を生やす組織を安全に破壊する方法です。レーザーの照射スピードが速くなったので1回の施術時間は大幅に短縮し、痛みもほとんどありません。処理した場所の毛は9割以上確実に生えなくなり、残る毛は産毛になります。施術を行えるのは医療資格を持つ医師・看護師のみです。かつて
は施術中に痛みがありましたが、今は冷却ガスで冷やしながら照射するのでほとんど痛みはありません。VIO脱毛では麻酔クリームを塗って行います。費用はかかりますが、施術回数は少なく済み、熱傷(やけど)等のリスクも回避できます。
『サロン脱毛(光脱毛)』
IPLのレーザー光で毛根のメラニン色素に照射し、毛根を弱らせていく方法です。毛が目立たなくなるまで何度も施術が必要で、時間がかかります。永久脱毛というよりは軽い減毛に近いです。1回当たりの施術は安価ではありますが、毛が多いところや、浅黒い肌だと熱傷(やけど)のリスクが高くなります。
『自宅でセルフケア』
かみそりやシェーバー、除毛テープなどによるセルフケアです。いつでも脱毛でき、クリニックに通う手間や費用も抑えられますが、一生毛が生えてくる度ケアが必要です。また、肌を傷つける可能性がとても高いです。例えば"かみそり負け"したことはありませんか?これは肌のバリア機能が刃物などの刺激によって壊され、皮膚に炎症が起きた状態です。放っておくと感染症の一因にもなりかねません。
■信頼できる病院の選び方とは
医療脱毛を希望する場合は、病院選びも重要です。いくら病院といっても、費用の安いだけの脱毛専門のクリニックはおすすめしません。皮膚科専門医が常駐しておらず、専門外の医師が留守番しているだけの病院も多いからです。こういう病院では看護師が施術を行います。不安なときは、常駐医師の専門分野を聞くといいでしょう。脱毛は病気治療ではないといえど、皮膚のことを安心して任せられる"日本皮膚科学会認定の専門医"がいるところが望ましいです。また、その病院が導入している医療機器を確認することも大切です。現在、厚生労働省が認証している医療用レーザー機器は「4社7機種」あります。国内で未認証の機器を使うことは違法ではありませんが、承認機器を導入している病院の方がより安心できると思います。
当院では『ジェントルレーズプロ』という日本の厚生労働省の承認を受けたレーザーを導入しており、皮膚科専門医が常駐し、丁寧なカウンセリングのもと施術を行います。レーザー脱毛は医療行為です。値段だけで選ぶと、施術ミスや照射の設定ミスによるやけどなどのトラブルに繋がりかねません。クリニック・医師の専門性やポリシーなども確認して選びましょう。
【本当に正しい家庭の脱毛「Q&A」】
セルフケアで肌をなるべく傷めずにケアする方法とは...?
[Q] 家庭用美容器以外でおすすめのセルフケアは?
[A] 保湿対策をしたうえで剃るか、クリームを!
肌の負担を考えると、シェーバーやかみそりで剃るか、除毛・減毛効果のあるクリームを使用するのがおすすめです。剃る場合は、一度で深剃りができる4枚刃以上のかみそりやシェーバーを選び、ジェルやローションを使って肌のすべりをよくしましょう。そして毛の流れに沿って皮膚を伸ばしながら剃りましょう。剃った後も保湿剤などでケアをすることが重要です。
[Q] やってはいけないセルフケアとは?
[A] 絶対に"抜いて"はいけません!
肌を最も傷つけるのが、毛抜きや脱毛テープで毛を抜く方法です。毛穴が開いて雑菌などが入ってしまい、感染症を引き起こします。毛穴の奥の毛根を包んでいる部分が炎症を起こす『毛嚢炎』を起こすこともあります。また、傷ついた毛穴が治るときにふさがり、皮膚の中に毛が埋もれてしまう『埋没毛』の原因にもなります。
[Q] 脱毛に失敗すると、どんなトラブルが起こる?
[A] 皮膚炎、毛嚢炎、埋没毛、そして肌が黒ずむ
毛を抜いた後に起こりやすく前途の『毛嚢炎』『埋没毛』のほか、かみそり負けによる炎症は、かゆみだけでなく、肌の色素沈着も起こすことがあります。セルフケアの場合、定期的に長年繰り返すことになるので、炎症が慢性化したり、見た目も傷や黒ずみができて汚くなってしまいます。脱毛後のケアは必ず行い、炎症は悪化する前に皮膚科での診察を受けましょう。
[Q] セルフケアの頻度はどのくらい?
[A] 毛の伸び方にもよるが週に1度くらいで
かみそりやシェーバーの場合は、肌の負担を考え、1週間に1回程度が望ましいでしょう。お風呂場で使うことが多いかみそりですが、次のケアまで置きっぱなしにしないようにしましょう。お風呂場は湿気が多く、雑菌が繁殖しやすいうえ、刃が錆びやすくなるからです。肌に直接触れるものなので、使用後のかみそりは水洗いをし、水気のないところで保管を心がけてください。