雑誌『美的』2022年1月号(2021年11月22日発売)

特集〝冬美容フェスpart6 汗かきさん&汗かけないさんのお悩み解決!冬の汗講座″(P94~96掲載)に慶田院長の監修記事が掲載されました。

■なかなか汗を描けない人、冬の室内汗のニオイに困っている人、汗悩みは夏だけのものではありません!皮膚科医おすすめの汗対策や、気になる発汗入浴剤の比較までご紹介する特集です。汗のメカニズムや自分の体質を知って、いい汗かける体へ変わりましょう!

美的クラブ126人に聞きいてみました。
Q.冬の汗に関するお悩みはありますか?
A.悩んでいない4% 悩んでいる96%
96%が冬の汗で悩んでいると回答。その中でお悩みはふたつに分かれました!
① 「冬になると全然汗を描けない派」
・末端冷え症で、布団に入ってもすぐに温まらない(学校関係・34歳)
・冷え症がひどく、冬になると寝つきが悪くなる(金融・31歳)
・運動をする習慣もなく、汗をかく機会が全くない(事務・36歳)
・お風呂に入っても、ポカポカが持続せずにすぐに冷める(営業・34歳)

②「寒い冬でも汗をかく派」
・冬は野外の寒さに備えてインナーを着こむと、屋内に入った途端一気に汗をかいてしまう(主婦・28歳)
・大切なプレゼンテーションや会議など、緊張する場面になると汗が止まらなくなってしまう(メーカー勤務・38歳)
・ニットを着たときなどにわき汗の臭いが気になる(事務・31歳)

■汗ってなんなの?汗の素朴な疑問にお答え!
Q.そもそも汗って何?何のために汗は出るの?
A.汗は体温調節のためにとても大切な機能です。汗をかき、乾くことで上昇した体温を下げます。汗には、エクリン汗とアポクリン汗の2種類があります。エクリン汗腺は唇以外の全身に点在し、サラサラで無臭ですが体表面の細菌の作用でニオイが発生します。アポクリン汗腺は乳輪周りやわき、外性器周辺にあり、黄色がかったねっとりとした汗が特長です。エクリン汗は体温調節の機能を担っています。体を動かすと体内に熱がたまりますが、汗をかくことで気化熱によって放熱し、汗が乾いて熱が下がります。このように汗のおかげで私たちは体温を一定に保っています。一方、アポクリン汗はフェロモン汗とも呼ばれ、個性的なニオイを作っています。

Q.汗の量はどうして人によって差があるの?
A.主に筋肉量、遺伝、性別、年齢、生活習慣によって汗の量に差が出ます。子供や筋肉質な若年男性で運動習慣のある人が汗量は多くなります。筋肉量が多い程発熱しやすく、汗をかきやすいからです。女性は男性より筋肉量が少なく、脂肪が多い傾向にあり、一般的には汗量は少なくなります。また、生涯汗腺の数自体は変わらないので、赤ちゃんは汗っかきです。ところが、年齢を重ねるにつれ、汗腺の機能が低下し汗をかきにくくなります。さらに日常的に運動習慣がある方は発熱し、汗を出すことに慣れている体になっています。遺伝のように自分ではどうにもできない点もありますが、筋肉量増加や生活習慣の改善など、努力できるポイントもあります。

Q.汗の量は自分で変えることができるの?
A.量自体を自分で変えることはできません。呼吸以外に体内で行われている〝代謝″を操作することは不可能です。体が必要としているから汗がでるのであって、止めることはできません。汗にネガティブなイメージがるかもしれませんが、年中汗をかけることは素晴らしいです。汗量が多いと悩む方も、無理に汗を止めようとせず、出た汗をどうするか考えましょう。ただ緊張など精神的な影響による汗は呼吸を整えることで改善できます。ゆっくり呼吸し、リラックスしましょう。一方、汗を全然かけない方は生活習慣を見直すことで汗を出しやすくすることができます。

■寒い冬でも汗かきさん
Topic1 どっと出た汗は水拭きでOK。汗臭さも消える&体温も下がる!
下着まで濡れる程の汗でなければ、まずさっと拭くのがオススメです。水を含ませ、軽く絞ったタオルで汗を拭き突ことでさっぱりします。水拭きすることで体に薄い水の膜ができ、その水分が乾くときに体温が一気に下がるので注意してください。肌が弱い方は、刺激の強いデオドラントシートを使うと肌あれを引き起こす可能性があるので、柔らかいタオルで軽く拭く方が良いです。外出時など、濡れたタオルを持ち歩けない時は使い捨てのシートが便利なので、場面ごとに使い分けるのも良いでしょう。

Topic2 汗かきさんに発熱アイテムはNG!体温調節しやすい服装と、発熱しない下着にチェンジ!
発熱することで体を温めるインナーは、汗を感知して熱に変える仕組みです。よく汗をかける方は必要以上に体が温まる可能性があります。汗かきさんがインナーを着たいときは、肌に優しく発熱しないオーガニックコットンやシルク製を選びましょう。肌に優しく寒さから体を守り、必要以上に体温をあげることもありません。また、タートルネックにインナー重ね着など、体温調節が難しい組み合わせもNG。首元を温めるならマフラーをつけて外出し、屋内では外すようにすると良いです!

〇当院ではメスを使わない多汗症・わきが治療"として『ボトックス注射』があります。ニオイのもととなるアポクリン汗腺、汗ジミとニオイを拡散させる原因ともなるエクリン汗腺の働きを弱める効果のあるボツリヌストキシンを利用して、ニオイと汗量を軽減させる治療です。ワキに注射を打つだけなので施術時間が10分程度と短く手軽でありながら、効果は半年~1年程持続。重度の多汗症やワキガでない方はボトックス注射だけで十分な効果が出るので、露出の増える夏の間のみでなく、冬のニットの時期など期間限定でニオイと汗を抑えたい方にオススメです。


■冬になると全然汗かけないさん
Topic1 冷え症こそ糖質制限NG。3食しっかり食べると体質は変わる!
朝昼晩、炭水化物をとっていますか?冬は特に朝ご飯をしっかり食べることで冷えは改善します。発熱やエネルギー源は炭水化物です。体を温めるためにごはんやパンを食べましょう。糖質制限をすると発熱する材料が体にない状態になるので、温まりにくい体になってしまいます。厳格な糖質制限はすぐに体重が落ちますが、やめた時に一気に脂肪が増えることが多いのでオススメできません。しっかり食べていてもまだ冷える、という人には生姜パウダーがオススメ。生のしょうがよりも温まります。

Topic2 お風呂でしっかり上げた体温は、正しいルーティンと室内環境でキープ!
まずはお風呂でしっかりと体を温めることを心掛けましょう。最近は発汗作用のある入浴剤がたくさんあるので、入浴剤に頼るのもおすすめです。お風呂に入っても熱がすぐ冷めてしまう人は部屋の環境を見直してみましょう。室温は23~24℃、加湿器は55~60%に設定するのがベストです。室温が低いと、体もその低い温度に順応してしまいます。体が冷めないよう室温を上げ、そしてお風呂で上げた熱をキープするために靴下をはき、上着を羽織るとかなり入浴後の冷えは改善されます。

是非ご参考になさってください。


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