サンケイスポーツ(2月25日発売 掲載ページP18)
『荒れスギ「花粉皮膚炎」は保湿して肌守る』に慶田院長の監修記事が掲載されました。
花粉は目や鼻だけでなく、肌にも症状を引き起こします。花粉が飛んでいる時期だけ顔や首が赤くなったり、かゆみ、ひりつき、粉ふきなどの症状があらわれている場合は、「花粉皮膚炎」の可能性があります。一般的な肌荒れとは違い、花粉が刺激となって起こるアレルギー症状です。
花粉の粒子はインフルエンザウイルスの300倍と大きく、もともと表皮には刺激や有害物質をガードする「バリア機能」という役割が備わっているため、健康な肌であれば花粉が付着しても皮膚へ入り込むことはありません。この働きが正常であれば、花粉症であっても「花粉皮膚炎」を発症しないはずなのですが、乾燥肌傾向だったり、アトピー性皮膚炎の人は、皮膚の「バリア機能」が低下しており、花粉が触れただけでも刺激となってかぶれやすいのです。
女性に多いのが、肌の手入れをし過ぎて皮膚に過剰な刺激を与えている場合。また毎日髭を剃り、保湿をほとんどしない男性も、角層が傷ついてバリア機能が低下しやすくなります。本来皮脂も「バリア機能」の一つではありますが、実際は「バリア機能(水分保持)」への寄与の割合は2、3%にしか過ぎません。80%を占めるのは、細胞と細胞の隙間を埋める潤い成分である角質細胞間脂質といわれるもので、角層同士を結着して外からの刺激物質の侵入を防いでいます。これが不足すれば、花粉のような大きな粒子でも入り込み、肌の不調をきたします。
毎日のお手入れに使う洗浄料は刺激の少ないものを選び、しっかり泡立ててなで洗いをしましょう。お湯だけでは酸化した皮脂が取り切れずに、肌に残って刺激の原因になりますので、朝晩の泡洗顔が大切です。洗浄時や、タオルでの拭き取り時にゴシゴシ擦ることは禁物。洗顔後は乳液などで保湿をし、日中は日焼け止めを塗って外部刺激から肌を守り、「バリア機能」をキープしましょう。皮脂の多い男性も洗顔、保湿、日焼け止めのシンプルケアは行うべきです。
赤み、かゆみ、ひりつきなどの肌荒れの症状が強いときは、炎症を抑えることが最優先。早めに皮膚科専門医を受診し、塗り薬や抗アレルギー薬などの適切な治療を受けましょう。