雑誌『BAILA』2021年8月号(2021年7月12日発売)

特集『10年後の肌に負担を残さない!美の先輩に聞く、やらない美容で美肌貯金』(掲載P128,129)に慶田院長監修・取材記事が掲載されました。

一生懸命ケアしているのに、いまいち結果を出せていなくてお悩みの方は多いのではないのでしょうか。もしかすると、肌に良かれと思って行っている美容法が、実はニキビや肌荒れ、乾燥、老化の原因になっているかもしれません。
大切なのは「洗う」「潤す」「光対策」の3つです。本来は、この3つの基本を正しく行うだけで肌を美しく保つことができます。
しかし、美容のトレンドに影響されて、"洗うとなると徹底的に洗う"、"洗いすぎが悪いとなると今度は逆にまったく洗わなくなる"、と両極端なことを実践する人が少なくありません。
大事な細胞間脂質まで溶かして洗い流してしまうような強すぎるクレンジングや洗顔はNGですが、酸化したアブラや角栓などの脂&タンパク汚れがあるのに、それを水だけ洗顔でなんとかしようとするのもナンセンスな話です。
潤すためには肌を活性化させる必要がありますが、それにはまずしっかり睡眠をとること、そして肌を作る材料、栄養をとることが大前提です。30歳は肌も体も変わるときです。加齢に伴い、抗酸化力や抗炎症力は残念ながら劣化していきますが、そこを補うのが美容の役割です。アンチエイジング医学に「Look Younger, Live Longer」という言葉があります。若く見える人は体の中も若く、長生きするものです。"やらない"という美容もあることを知っておきましょう。

■Don't やりすぎパッティング
化粧水を含ませたコットンで肌をパッティングすると、肌の奥までうるおい、毛穴が引き締まるという説もありますが、これは間違いです。
何度もパッティングするうちに手の力は自然と強くなりますし、コットンの線維との摩擦が生じ、肌にとっては刺激にしかなりません。手の平全体を使って隅々までやさしく包み込むように馴染ませれば充分です。
濡れた状態が長時間続くと肌の角層にある細胞間脂質が流れ出て乾きやすくなる恐れがあります。化粧水をたくさん使って、コストと時間をかけているのに肌にとってはむしろマイナスな結果になってしまうのでご注意ください。
化粧水の後は乳液、クリームなどを塗り、うるおいが逃げない肌に仕上げることを忘れずに行いましょう。

■Don't 顔を常に触る
肌を無駄にいじることがいちばんやめてほしいことです。そういうと、エステはダメ?美容鍼はダメ?と聞いてくる方もいますが、きちんと筋肉への働きかけ方をわかったプロによる施術を月に1回程度取り入れるのは肌を活性化するのにいいことだと思います。
テレビを見ながら何も考えずに手だけを漠然と動かすマッサージはやめましょう。
特に美顔ローラーや指圧器など、道具を長時間使うと肌の負担です。
また、頬杖や顔を触るという刺激は毛穴を詰まらせ、ニキビができるきっかけになる可能性があります。手のひらについている目に見えない無数の汚れや菌は肌荒れのモトになるので、意識して触らないようにしましょう。

■Don't 洗わなすぎ!
敏感肌や乾燥肌だからといって朝の洗顔をしない、または水だけで済ませている人がいます。確かに皮脂を落としすぎるのは肌に良くないですが、水洗顔だけでいいのは、本当に皮脂の分泌量が少ない、ごく一部の『超乾燥肌』の人のみで、大多数の人は朝も洗顔料を使うべきです。就寝中に出た皮脂や夜に油分のあるスキンケアなど、アブラ汚れは水だけでは落ちません。朝、顔を洗わないということは24時間、酸化したものを肌にのせた状態で過ごすということになります。かといって洗いすぎも良くないので、アミノ酸系の洗浄剤の泡で30~40秒程度、ふわっと洗うぐらいがちょうどいい洗顔です。
★おすすめのアイテム:『アクセーヌ リセットウォッシュ
院内で患者様にご使用いただいている『アクセーヌ リセットウォッシュ』は、ボトルからスフレのようなきめ細かい泡ででてくるので、簡単に泡洗顔できます。

■Don't オイル抜きの食事
体型管理のための食事制限でサラダと脂身のないささみしか食べないといった油抜きの食事はやめましょう。肌の潤いの元であるセラミドなどの細胞間脂質は、コレステロールなどの脂質を材料にして作られています。スキンケアでもセラミドを一時的に補うことはできますが、それだけでは足りません。そのため、食事から油を完全に抜いて脂肪酸が欠乏すると、細胞間脂質が減ってバリア機能が低下し、乾燥してちりめんジワやたるみの元になります。食事から摂取すべき脂質は、オメガ3と6ですが、オメガ6は多くの食品に含まれているので、意識して摂るべきは「オメガ3系脂肪酸」です。えごま油や亜麻仁油からは、効率的に「オメガ3系脂肪酸」が摂れます。熱や光に弱く、酸化しやすいので、和えたり、つけたり、加熱調理後の食べる直前に加えましょう。青魚やくるみも良質な油がとれておすすめです。量としては、毎日スプーン1杯程度が理想です。
逆に控えるべき油が、「トランス脂肪酸」を含むマーガリンやショートニングです。クッキーなどのお菓子やパンやケーキ、スナック菓子などに含まれ、身の回りに溢れています。
血中の悪玉コレステロールを増やし、善玉コレステロールを減らす働きがあり、日常的に多量に摂取すると心臓疾患などのリスクが高まるとされています。
ですから、毎日コンビニのパンを食べている、スナック菓子を食べている方は、ぜひ食生活を見直してみてください。

■Don't 夜、遅くまでスキンケアに明け暮れる
本来、バイラ世代ならちゃんと寝ていれば肌はピカピカ、髪はツヤツヤをキープできるものです。仕事終わりにジムやヨガ。家に帰って遅い時間に食事、長風呂、フル装備のスキンケアとキレイになるためのto doリストがいっぱいで睡眠が4~5時間では逆効果です。睡眠不足が三日続けば酩酊状態、3日以上だとうつ状態になるといわれています。きれいになりたいなら、まずは睡眠をとりましょう。

■Don't 無理なダイエット
昔から医食同源というように、肌をはじめ体は食べたものでつくられています。その材料となるタンパク質(肉・魚・乳製品)と野菜、豆類などは毎日きちんととり、それを食べた上で炭水化物や嗜好品を食べてください。腸内環境を整えるために食物繊維は海藻などの水溶性・野菜の不溶性を両方と、発酵食品も一緒に食べましょう。炭水化物もとらないとお米を食べて育った日本人は便秘になってしまう人もいます。偏食をしていてはどんなスキンケアや美容医療を行っても、肌には高いレスポンスを出せません。

■Don't 無防備なランニング
適度な運動を始めて筋肉貯金をしないといけない30代ですが、ランニングには要注意です。紫外線対策をしていても、走って汗をかいたら日焼け止めが流れるような状態ではシミやくすみ、たるみの原因になります。さらに走ると体が振動するので、胸の重さを支えているクーパー靭帯が伸びてしまいます。顔の弾力線維ももちろん振動によるダメージを受ける可能性があるので、たるみが加速します。どうしても走りたい場合は夜か室内にしましょう。

■Don't SNSを信用しすぎ
今の時代、個人が発信するSNSやインターネットなどはもちろん、ときには大手メディアでも、間違ったお手入れや無意味な美容習慣が真実のようにとりあげられています。情報の海に飲み込まれず、これは正しい情報なのかをエビデンスや出典をきちんと確認するクセをつけましょう。

【美容医療で美肌貯金】

♢産毛によって開いた毛穴は脱毛すれば解決
→『医療レーザー脱毛
産毛によって毛穴が開き、黒ずみの原因になっている可能性もあります。日本人はうぶ毛の色も黒いうえ、剃ると毛の断面がひろがることで、余計に目立ちやすくなります。特にTゾーン、小鼻、あごが目立ちやすい傾向にありますが、うぶ毛の色が薄かったり細かったりすれば目立たないので、『レーザー脱毛』を続けて軟毛化すると目立たなくなります。

♢ハリのためのコラーゲン育成
→『ケミカルピーリング』+『フォトフェイシャルM22
フォトフェイシャルによる熱刺激はコラーゲン合成の指令を出します。定期的に受けている人は結果としてコラーゲンをつくる設計図(メッセンジャーRNA)の発現量が若者レベルであることがわかっています。バイラ世代なら年3~4回で将来のハリ感に大きな差が出てきます。当院では、照射前に乳酸による『ケミカルピーリング』で角質を滑らかにし、毛穴の詰まりを解消してから施術します。ニキビもできにくくなりますし、肌のバリア機能も高まります。アトピー性皮膚炎や肌荒れなどの痒みも良くなるので敏感肌の方にもおすすめです。

♢あごと眉間、おでこと目尻のシワ対策
→『ボトックス注射』
表情のクセによって眉間やあご、額や目尻などにシワができるという人はプリーツ加工のようにシワが刻まれる前に『ボトックス注射』を打つことをおすすめします。早く始めると、より結果も出やすく、さらに効果の持続時間も長くなるので、気になりだす前にスタートし、継続してメンテナンスを続けていきましょう。

美容医療との付き合いは細く長くがベスト。ぜひお気軽にご相談くださいね。


2134841_o.jpeg