雑誌『ESSE/エッセ』2019年9月号(8月2日発売 掲載ページP80~81)
特集:紫外線対策に必要なのはアウターケアだけじゃない「食生活を見直して正しいインナーケアを身につけましょう」に慶田院長の監修記事が掲載されました。
【皮膚の老化の原因は紫外線による光老化】
肌の老化は年齢を重ねることでも進みますが、実は加齢による自然老化は2割程度で、残りの8割は光老化(紫外線)の影響と言われています。
紫外線を浴びると皮膚の中で活性酸素が発生(酸化)し、それが細胞にダメージを与え、「シミ」「シワ」「たるみ」など老化を進行させます。
さらに、紫外線は「糖化」(体内のタンパク質が糖と結びつき変性すること。黄色から茶色に変化する。)も進行させるので、皮膚のコラーゲン線維が糖化変性で劣化し、弾力性が低下し、"黄ぐすみ"が悪化してしまいます。
このことからも、美肌を保つために力を入れるべきが、「光対策(紫外線対策)」なのは一目瞭然です。具体的な対策としては、インナーケアとアウターケアがあります。
アウターケアの基本は、日焼け止めを塗ることですが、一度塗りしただけでは十分な効果が発揮されません。一度塗ってなじんでベタベタ感が解消されたら、同じ量をもう一度塗り重ねましょう。塗る量の目安としては、アウトドアや紫外線の強い地域への旅行が趣味であれば、現在の最高値(SPF50+・PA++++)のUVケアが必要です。
さらに、インナーケアで内側からも紫外線に対する防御力を高めましょう。ビタミンACEなどを含む抗酸化作用の高い食品はもちろん、サプリメントの活用もおすすめです。食生活からアプローチする紫外線対策について、正しい知識を身につけることは大切です。
【インナーケアのためには抗酸化作用の高い食材を】
抗酸化作用をもつ栄養素の代表格は、抗酸化ビタミンと言われているビタミンA・C・Eとワインや緑茶などに含まれるポリフェノールです。
ビタミンAを豊富に含む食材でおすすめなのは、価格的にも手ごろな鶏や豚のレバーです。ビタミンCは、パプリカやオレンジ、レモンなどの黄色系の食材に多く含まれています。また、ビタミンEを摂るなら、いつでも手に入りやすいナッツや卵が良いでしょう。
また、ポリフェノールといえば、赤ワインと思い浮かべる方も多いと思いますが、トマトやブロッコリー、ブルベリーといったカラフルで色の濃い野菜や果物の色素にも多く含まれています。時季的にはスイカもおすすめです。さらに、お茶やチョコレートなどの苦み成分にも多く含まれているので、常温で保存でき、手軽に持ち運べる高カカオチョコレートもおすすめです。ただし、どの食材も1品だけ食べれば良いというものではありません。バランスよく組み合わせて摂ることが大切です。
【気軽に持ち運べる紫外線対策食品として高カカオチョコレートがおすすめ!】
チョコレートにはカカオポリフェノールという抗酸化成分が含まれています。意外な紫外線対策として、最近注目されていて、海外では、紫外線による肌の赤みを抑えるなどの研究結果も出ています。
一般的なダークチョコレートは、赤ワインの4倍のポリフェノールを含んでいると言われています。なかでも、カカオが70%以上配合されている高カカオチョコレートには、さらに多くのポリフェノールが含まれていて、植物性食品ではダントツの量です。ポリフェノールを豊富に含む食材には、生のものが多く、外出先で手軽に摂れとは言えないのですが、高カカオチョコレートは保存がきくので、いつでも食べられるというのが大きなメリットです。ただし、カカオポリフェノールは、体にとどめておくことはできませんたくさん食べて も、体から排出されてしまいます。肌の光老化予防のためには、毎日、継続して食べることが大切です。
カカオ70%以上のチョコレートを1日25gほど、個包装になっているものなら3~5個程度を目安に摂るのがおすすめです。チョコレートは太るからちょっと・・・と考える方も多いと思います。もちろん食べ過ぎは論外ですが、適量を摂っていれば太ることはないと思います。というのもチョコレートに含まれる主な脂質は「ステアリン酸」という、体内で吸収されにくい脂肪だからです。酸化しにくい脂で、生活習慣病予防にも良いと言われています。
初めて食べる人は、カカオ70%台のチョコレートを選ぶといいと思います。慣れてきたら80%台に挑戦してみてもいいでしょう。90%台になると苦みが強いので、カレーなど隠し味としてとるなど工夫するのが良いでしょう。
賢く食べるのがインナーケアの基本です。日頃の食生活を見直す必要があります。正しい紫外線対策を身につけ、10年後、20年後の自分の肌を守りましょう
是非、ご参考になさってください。