『LIONウェルネスダイレクトブック』2017年秋号

特集「美肌力を育む生活が毎日を輝かせる!健やかな美肌にアプローチ」に慶田院長のインタビュー記事が掲載されました。

※「ウェルネスダイレクトブック」はライオン株式会社の健康食品をご購入のお客様向けの会報誌になります(年4回発行)。毎号、健康に関するプロフェッショナルな方のインタビュー記事を掲載しております。

誰もが憧れる美肌は、年齢を問わない輝きを放ちます。そんな憧れの美肌を手に入れるための肌力を育むコツ、肌の光老化に関する知識と予防法をお伝えします。

【紫外線ダメージで肌は老化します】
過酷な夏の日差しや季節の変わり目の気温、湿度差などを乗り越え、肌の調子が低下しがちな秋、鏡を見て「最近なんだか老けた?」と思う方もいるのではないでしょうか。これは、夏の紫外線による肌老化が原因です。
肌の老化には、加齢による"自然老化"もありますが、約80%は紫外線など太陽光による"光老化"だといわれています。その代表的な症状がシミです。シミの原因は"メラニン"という色素ですが、メラニンにはもともと"紫外線から肌細胞を守る"という働きがあります。そのため、強い紫外線を浴びると肌を守るためにメラニンが生成されます。紫外線によってDNAに傷が付くと、必要以上にメラニンが産生され続け、排泄されきれず肌内に蓄積したものがシミとなって現れます。つまり、無防備に紫外線を浴びることで老化が加速し、シミだけでなく、コラーゲンの劣化によるシワやたるみ、さらには皮膚がんが生じることさえもあるのです。

【光老化対策は一年中ケアが必要です】
光老化を予防する第一の手段は、紫外線から肌を守ることです。日焼け止めを日常的に使用することが大切です。日差しの強い夏だけ使用するという方が多いですが、紫外線は1年中降り注いでいることを覚えておいてください。また、肌そのものをケアして、肌機能を整えておくことも大切です。まずは"洗浄"で肌の汚れをしっかりと取り去りましょう。肌は汗や皮脂、大気中のほこりやメイクなどで意外に汚れています。それらは次第に酸化し、肌の刺激になってしまいます。優しいタイプの洗顔料(保湿成分が入っていて、洗ったあとに肌がつっぱらないものがおすすめ)で、汚れをきちんと落としましょう。次に"保湿"で肌をしっかり整えます。肌が乾燥すると、肌荒れや炎症など肌トラブルが起こりやすくなるので、洗顔後は化粧水で潤いを補給し、美容液やクリームなどを塗って保湿力をキープさせます。特にくすみやシミが気になる方は、美白化粧品を使うのもおすすめです。よく「どんな美白製品がよいか」と聞かれますが、一概には決められません。美白有効成分の種類、配合濃度、安全性試験の有無、さらに使い心地や価格帯などがポイントになるので、それらをふまえて、選びましょう。

◎肌老化の原因は"光"にあり!紫外線とシミの関係
紫外線を浴びると、そのダメージから細胞を守るために、肌内部で褐色のメラニンが生成されます。これが過剰につくられてしまうと、排出しきれず肌に蓄積してシミになります。

シミの印象で、肌色も暗く、不健康そうに見えます。「見た目年齢」に差がつくポイントは、こんなところにもあったのです。

【肌にも健康にも大切な5本柱を整えましょう】
老若男女問わず、美肌を目指している人が多いと思いますが、私が患者さんにまずお話しするのは、肌づくりの基本となる"5本柱"をきちんと見直してほしいということです。
<5本柱>
① バランスのよい食事
② 充分な睡眠
③ 適度な運動
④ スムーズな排泄
⑤ ストレスのケア
上記の5つですが、つい目の前のトラブルの解決に必死になりがちですが、これがきちんとできていないと、どんなに治療をしても効果が出づらく、持続もしにくくなります。この"5本柱"は、肌のためだけではなく、健康のためにも大切なことです。生活習慣病の予防にもつながりますので、ぜひ心に留めておいてください。

◎肌づくりだけじゃない!健康の基本となる5つの生活習慣をきちんとケアしましょう
・食事
体は食べたものでできています。野菜と低脂肪高たんぱくの肉や魚をメインにバランスよく食べ、もちろん、ベジタブルファーストで食事をしましょう。
・睡眠
睡眠は深く、6〜7時間眠るが理想です。寝る直線のスマホやパソコンは脳を覚醒させるのでNG、夜のカフェインも避けましょう。
・運動
ウォーキングやストレッチなど、運動をすることで血の巡りがよくなり、新陳代謝がアップ、肌のターンオーバーも整います。
・排泄
便秘など、胃腸の不調も肌不調の原因です。便秘により腸内フローラのバランスが崩れると、皮膚機能に悪影響を及ぼすことが報告されています。
・ストレスのケア
ストレスは自律神経を乱し、冷えや胃腸の不調、不眠など複合的にトラブルを招きます。自分なりの解消法を取り入れましょう。

【糖化リスクを抑えて肌も体も健康に!】
5本柱の中でも、特に食事は大切です。食べた物で体はできているので、肌の状態にも大きく関わってきます。野菜・海藻・豆類・魚・肉・米やパンなどの炭水化物を毎食、バランスよく摂取することが、どんなに高価な化粧品を塗ったりエステに行ったりするよりも効果があります。また、過去には一品目だけを食べ続けるようなダイエットも流行しましたが、不健康なやせ方で、肌がシワシワになってかえって老けてしまった人が大勢いました。"食"のバランスを大切にすることで、自然に肌も健康になれます。食事において、ひとつ気をつけたいのが糖質です。糖質は、お米やパン、麺、甘いお菓子など多く含まれる成分ですが、糖質を取り過ぎると肌環境が悪化することがわかっています。体内で代謝しきれなかった糖は、たんぱく質と結合して「糖化」するのですが、その際に、たんぱく質でできているコラーゲン線維やエラスチンが変性してしまい、弾力性・柔軟性が低下し、皮膚がたるんだり、ゴワついた硬い肌になってしまうのです。さらに糖化によってできる最終生産物AGEsには褐色化する特性があるので、肌のくすみの原因にもなります。残念ですが、一度糖化したたんぱく質は元に戻すことができないので、なによりも予防が大切です。食事の際、一番最初に野菜や海藻を摂る「ベジタブルファースト」なら、血糖値の上昇をゆるやかにして、糖化リスクを抑えることができます。糖化を避けることは、ダイエットだけでなく、美肌にも有効なのです。また、ヨーグルトなどに含まれる乳酸菌には、腸内環境を整えるだけでなく、肌のうるおい力をアップさせる力があるので、継続的に摂取する習慣をつけるとよいでしょう。このように肌の内側からのケアが、美肌には非常に有効です。

【肌の美しさは充実した毎日の結果】
肌は体の状態をそのまま反映します。顔色がよく、肌にツヤがあり、キメが整っている人を見ると、心身が健やかであることが想像できます。そうした"健やかさ"を持つ人に好感を持つのは当然のことです。そのためには、スキンケアも大切ですが、毎日の生活習慣が一番の基盤となります。睡眠、食事などに気をつけながら、笑顔で暮らす。疲れたときには思い切って休むことも必要です。自分らしさを保ちながら健康体でいることが、毎日を輝かせてくれる近道となるはずです。

◎美肌に導く優秀栄養素
必要な栄養素を効率よく、美味しく食べて、健康な体や美肌の基礎を整えましょう。
≪弾力を保つ:たんぱく質≫
体を構成する細胞をつくるたんぱく質は、不足すると肌は弾力を失い、シワシワの乾燥肌になってしまいます。1日60g以上を摂取の目安にしましょう。
≪美白・ハリの友:ビタミンC≫
肌の弾力やハリを保ったり、透明感を維持したりする効果があります。また、免疫力を高めることで、ストレスに対する抵抗力もアップさせます。
≪サビない肌に:ビタミンE≫
ナッツ類やたらこ、かぼちゃ等に含まれる"若返りのビタミン"です。高い抗酸化作用で活性酸素を除去し、血管や肌、細胞の老化を防ぎます。
≪透明感がよみがえる:リコピン≫
カロテノイドの一種でトマトやスイカに多く含まれます。強力な抗酸化作用で活性酸素を除去し、透明感のある健康的な肌をキープします。
≪サビ止めと美白に:エラグ酸≫
いちごやラズベリーなどのベリー系の果物、ザクロやくるみなどに含まれるポリフェノールの一種です。抗酸化作用があり、美白効果もあります。
≪美肌に欠かせない:コラーゲン≫
真皮の約75%を締める主要成分で、肌の弾力を作り出すたんぱく質のひとつです。10代後半をピークに減少するので、毎日の摂取を目標にしましょう。
≪腸と肌をキレイに:乳酸菌≫
ヨーグルトやキムチ、ぬか漬けなどに含まれる乳酸菌の力で腸内環境を整えると、肌のうるおい力をアップさせることが期待できます。

◎外&内からケアで肌老化にアプローチ
肌老化を防ぐには、スキンケアなどの外側からのケアだけでなく、体の内側からのケアも大切です。抗酸化成分を含む成分を積極的に摂取して、肌の"サビ"を防ぎましょう。


当院では、すでに受けてしまった紫外線ダメージや、今後の予防のための治療や内服、化粧品等のアドバイスもご案内しております。お肌のかかりつけ医としてぜひご相談ください。


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