雑誌『MAQUIA/マキア』2018年3月号(1月23日発売 掲載ページP176~177)
特集「なんとなく不調から、ニキビ、敏感肌まで転ばぬ先の化粧品、おまもりコスメ100名鑑」に慶田院長監修記事が掲載されました。
過酷な乾燥シーズンを迎え、春先に向けて肌が揺らぎがちな季節です。お困り肌のケアや予防も、賢く選べば、もう不快症状に悩まなくなります!
【ゆらぎ、敏感、大人のニキビetc..."肌の困った!"はなぜ起きる?どうケアする?】
ゆらぎ肌や敏感肌が増えていると言われている昨今、なぜ肌はカサついたり、かゆくなったり、大人のニキビができたりするのか?原因がわかれば、正しいケアが見えてきます!!
◎ほとんどの"困った!"は細胞間脂質の量と質に原因が...
バリア3大要素の潤いへの役立ち度合いは、「細胞間脂質80%、天然保湿因子17%、皮脂膜3%」
皮膚の潤いには水分を抱える力が重要です。肌の潤いを保持する3大要素ののうち、水分保持は、セラミドなどの細胞間脂質が大きく担っています。細胞間脂質の量や質が低下すると、バリア機能が乱れ、少しの刺激で炎症を起こしてしまうのです。
●ゆらぎ肌を侮るなかれ。放っておけばエイジングに!
ゆらぎ、敏感、大人ニキビができる時は、いくら潤いを与えても乾燥します。それは、角層細胞のあいだの細胞間脂質が乱れているからです。いくら水分を与えても、細胞間脂質が整わないと逃げていってしまいます。化粧水やジェルなどで水分を一時的に補っているだけでは効果を感じにくいはず。細胞間脂質が乱れると外的刺激を受けて炎症を起こしやすくなります。また、間違ったケアで炎症を長引かせてしまうと、それがエイジングの引き金になり、シワやくすみにつながるため、ゆらぎ肌を侮ってはいけません。潤いを逃がさないようにするには、角層が自らの力で水分を抱えこめるよう、ターンオーバーを整えることが肝心です。ゆらいだ肌に余計な刺激を与えないよう、肌にやさしく適したコスメに切り替えることも必要でしょう。ただし、炎症がひどい場合は、皮膚科に受診し、敏感肌は炎症を長引かせないことが何より大事です。
【根本から肌を立て直したい!原因を徹底究明】
≪冬ならではの原因5つ≫
① 毛足の長いニット
チクチク刺激が負担に!異物が触れるのは肌にとってストレスです。髪の毛と同様、ニットの毛先は肌にとっては硬いものです。乾燥でバリア機能が弱まった肌にチクチクと刺さると、バリア機能低下を助長します。
② 空気の乾燥
角層の水分量が大幅にダウン!夏は70%以上あった大気の湿度が、冬は30%以下になります。この様な乾燥した大気に肌の水分が奪われるとバリア機能低下が加速。外的刺激を受けやすくなり、スキンケアで潤いを与えても抱えていられなくなります。
③ 寒さ
角層が隙間だらけに!寒気にさらされると、角層の細胞と細胞の接着部であるタイトジャクションが弱くなり、細胞と細胞の間に隙間ができてしまいます。皮膚温の低下により皮膚内部の潤いが蒸発しやすい肌になってしまうのです。
④ 免疫力ダウン
風邪をひいてもゆらぎ肌に!風邪やインフルエンザにかかると、免疫をつかさどるリンパ球や白血球の数が減り、免疫力が低下します。このような状態では肌の免疫力も低下しやすく肌も荒れがちに。免疫力の回復までに1カ月ほどかかることもあります。
⑤ 運動不足
巡りが悪くなり代謝ダウン!寒さのせいで運動はおろか、歩く時間も減るなど運動不足になりがちな季節です。血流が悪くなると酸素や栄養不足で代謝が滞り、角層細胞が未熟になると、バリアのもとである細胞間脂質が減少してしまいます。
≪1年を通じての原因5つ≫
① 女性ホルモンの乱れ
生理前は角層が重層化!生理前、プロゲステロンが優位になると皮脂線が活性化し、過剰な皮脂が刺激となり毛穴部分の角層が厚くなって毛穴が詰まります。毛包内に皮脂がたまりやすい状態になると、大人ニキビも悪化する可能性があります。
② 栄養バランスの乱れ
肌の材料は「食べ物」!コンビニや外食ばかりだと、肌再生に必要なたんぱく質、ビタミンA・C・B群が不足します。腸内環境が悪いと肌の水分量も低下します。ヨーグルトなどで乳酸菌を摂ることも大事です。
③ ストレス
自律神経の乱れで肌が脆弱に!ストレスで交感神経が優位になり末梢の血液循環が低下し、肌の再生を妨げてしまいます。また、ストレスがかかると、細胞と細胞のタイトジャクションももろくなり、バリア機能が低下します。
④ 血流の低下
細胞が栄養失調に!末端の血流が悪くなると、血液から栄養や酸素が肌に運ばれない状態になり、未熟な角層細胞が生まれ、ゆらぎやすくなります。古い角層が代謝されず、ゴワつきや大人ニキビを招きます。
⑤ 花粉や大気汚染
バリア機能ダウンに追い打ち!花粉や黄砂、PM2.5、大気汚染物質が、乾燥などでバリア機能の弱った部分に付着すると、肌がSOS状態になり、赤みやかゆみ、粉をふくほどの乾燥肌になることもあります。
【根本から肌を立て直したい!症状別ケアのポイント】
≪かさつく≫
●セラミドを補い徹底保湿
隙間だらけになった角層を助ける保湿ケアをしましょう。セラミド系の成分や、水分を抱えこむ機能を持つセラミド系の成分や、水分を抱えこむ機能を持つ加水分解コラーゲン、ヒアルロン酸、アミノ酸などの成分をしっかりと補いましょう。
≪ムズがゆい≫
●刺激を減らし、興奮状態の神経をなだめて
ごく軽い炎症でも、かゆみが出ることがあります。神経刺激で神経が興奮するので、毛先が肌に当たらないよう髪の毛をまとめたりするほか、クレンジングや保湿時に摩擦刺激を与えないことも大切です。
≪ひりつく≫
●炎症が進んでいる証拠。水もののコスメを避けて
しみやすい化粧水やジェルなどの水分の多いコスメは避けて、刺激の少ないバームかオイル、ワセリン系の軟膏を選び、ひどい場合には皮膚科を受診しましょう。時には悪化させないため、ステロイドの塗り薬で炎症を抑えることも大事です。
≪赤み≫
●室内外の気温差で血管拡張の場合も
ひりつきと同じく、炎症が進んだ状態、または、屋外と屋内の気温差で血管が拡張している可能性も、また乾燥による湿疹で赤みを帯びている場合もあります。まず敏感肌コスメで鎮静を心がけましょう。
≪大人ニキビ≫
●若いころと違い、乾燥が原因。バリア機能を高めて
過剰な皮脂分泌が原因の思春期ニキビと異なり、大人ニキビは肌がゆらいでバリア機能が落ちて毛穴が詰まることが原因です。ピーリングや酵素洗顔などでターンオーバーを促し、バリア機能を高めましょう。
≪なんとなく不調≫
●常にうるおわせ、厚すぎず薄すぎない各層に
くすむ、化粧ノリが悪い、ツヤがないのは、各層のバリア機能が低下しているからです。心が前向きであることもはだに現れるので、香りやテクスチャーが心地よいと感じるコスメをおまもりに使用するのもおすすめです。
是非、ご一読ください。