雑誌『steady.』 2022年4月号(2022年03月07日発売)

特集「その肌の不調ももしかしたらアレルギーかも?花粉の季節でも快適に過ごす方法は?」(P62~63掲載)に慶田院長の監修・取材記事が掲載されました。

今年も、花粉症の本格シーズンが到来!マスク生活が続く中、さらに花粉による肌の不調に悩む人に向けて、ケア方法を解説しています。

【花粉によって引き起こされるアレルギーとは?】
目のかゆみや充血、せき、鼻水、のどの違和感、頭痛、肌荒れetc.

・症状は人によってそれぞれ
目や鼻、喉など粘液の部分で起こるのが花粉症です。スギやヒノキの花粉によるアレルギー症状をイメージする方が多いですが、その他の植物でも生じます。花粉の殻の中にはアレルギー反応を起こす抗原物質が入っているのですが、粘膜の水分に触れると殻が壊れて抗原が露出し、粘膜では異物を排除しようとしてアレルギー反応が生じます。流涙、眼球結膜の充血、目の痒み・ゴロゴロ感、鼻汁、くしゃみ、喉の違和感などが症状です。
一度、感作が成立し抗体が作られると、同じ抗原に対しては毎回同様の反応が起きます。本来は、湿った粘膜部分に症状が出ますが、皮膚のバリア機能が弱まっていると、穴が開いた状態なので、皮膚でもアレルギー反応が起こり、赤みや痒みを伴う湿疹が出ることもあり、これを「花粉皮膚炎」と呼びます。ひとえに花粉症といっても症状はさまざまです。

Part1.■花粉症かも?と思ったらするべきことは?
花粉症の疑いがある場合、まずは自分自身でしっかりガードしていきましょう。まずは花粉を体に触れさせないようにするのが重要です。

・外出時はメガネや髪の毛をまとめて、マスクを着用する。
外出時のファッションは、髪はコンパクトにまとめて。春のアウターは、スプリングコートやブルゾンなど、表面がツルツルした素材のものだと花粉が付着しづらいです。マスクやメガネも効果的です。メガネは、花粉専用のものでなくても、十分効果はあります。

・帰宅後はすぐお風呂に
外から帰ってきたらすぐにお風呂場に直行して、入浴してしまうのが一番。花粉をすぐ洗い流すと安心です。お風呂に入らないのであれば、玄関先でアウターを脱いで部屋着に着替えましょう。なるべく早くメイクを落として、目洗いや鼻洗い、うがいをすることがポイントです。とにかく体に付着している花粉を取り除くことを優先して下さい。

・玄関の前で服をはたいて花粉を持ち込まない
アウター類は玄関先で脱いで、ブラシで払ったりはたいたりして、付着している花粉をオフ。できれば、玄関から寝室やリビングなど、部屋の中にアウターを持ちこまないほうがベターです。

・抗アレルギーの市販薬で対策を
抗アレルギー薬を飲むことも大切です。診断済だけれど病院に行く暇がないという人は、市販薬で対応を。クラリチンやアレジオンなどは処方薬と同じなので、治療薬として有効です。
花粉からくるアレルギー性皮膚炎の痒みにも効くので、ぜひ試してみて下さい。

・腸を整える
インナーケアでいうと、免疫力を高めることがカギ。そのために腸内環境を整えましょう。腸の調子がいいと、皮膚のバリア力も高まります。ヨーグルト、納豆、甘酒など、なんでもいいので発酵食品を複数取り入れ、快食快便に。

・洗濯ものは部屋干しする
この時期は、洗濯物は室内で干して、衣類に花粉がつくのを避けましょう。朝はまだ飛散
量が少ないですが、少しでも窓を開けると入ってきてしまうので、気をつけましょう。

・家では空気清浄機をつける
コロナ禍なので換気がも大切ですが、窓を開けると花粉が入ってきてしまいます。そこで、空気清浄機を活用しましょう。花粉シーズンは、24時間回しっぱなしでもいいくらいです。

・朝に掃除機をかける
部屋に入った花粉は、夜の間に床に落ち、モーニングアタック(朝にくしゃみがたくさん
出る)を誘発。朝、人が動いて花粉が舞い上がる前に、マスクをして掃除機をかけて。

Part.2■花粉アレルギーと肌
季節の変わり目である春先は、肌が揺らぎ、バリア機能が低下している可能性も。花粉アレルギーによる肌荒れ対策法をレクチャー致します。

・花粉症皮膚炎とは?
花粉によるアレルギー反応で、肌に赤みやかゆみなど湿疹症状が出ること。症状の出方は、それぞれの肌の持つバリア力により異なります。鼻を噛んだり目がかゆくてこすった部位は特に生じやすいです。

・どんな症状が多いの?
スギやヒノキ花粉が飛ぶ時期に、目のまわりや頬などに起こる湿疹症状。カサカサ、ブツブツ、赤みなどで、かゆみを伴うこともあります。

・花粉症皮膚炎になってしまったら?
どんな肌トラブルでも、保湿をすることが治療に欠かせません。花粉症皮膚炎は、冬の乾燥した空気に肌がさらされ、水分も奪われ、バリア機能が弱まっている時季に、花粉が付着することで起こるもの。バリア機能を高めるためにはクリーム類でしっかり保湿するのが大切です。うるおいが逃げないように、洗顔やスキンケアの見直しをしましょう。この時季、あえて新しいアイテムをプラスすると肌への刺激になることがあるので、使い慣れたアイテムでケアするほうがベター。同時に肌のバリア機能を高めるために生活習慣の見直しも大切です。
『セラミドバリアクリーム 30g』 ¥5,000(税抜き)
潤いのある美肌に欠かせない「角層のバリア機能」に着目し開発した、天然セラミドを主成分とする当院オリジナル高機能保湿クリーム。

1. まず第一に保湿を。花粉症皮膚炎の時の正しいスキンケアは?
(Point1)クレンジングや洗顔料などを見直す
拭き取りタイプのクレンジングは肌への刺激が強くなります。洗顔料もマイルドに洗えるものがおすすめです。摩擦の負担が少ないクレジングジェルや、やわらかい泡で洗う泡洗顔を選んで、肌をやさしく洗うようにしましょう。

(Point2)洗い流す時はぬるま湯でため洗いを
入浴の際に熱いシャワーで洗顔する人も多いと思いますが、バリア成分である角質細胞間脂質まで洗い流してしまいます。洗顔のときは、36℃程度のぬるま湯を洗面器に溜めて、パシャパシャと掛け流しするように洗うとグッド。

(Point3)スキンケアは保湿成分を含む"モイスチャライザー"を選ぶ
モイスチャライザーとは、セラミドやアミノ酸、グリセリンなど、水分保持作用のある保湿成分が含まれる化粧品のこと。バームやオイルは、保湿効果はほとんどないので、モイスチャライザーのアイテムを投入をしてうるおいをしっかりキープしましょう。

2・生活習慣を見直そう
(Pont1)適度な運動、睡眠が肌のバリア機能を高める
きちんと食べて、体を動かし、睡眠をとるという基本的な生活習慣を整えるだけでも、体の抵抗力を高めることができ、バリア機能をアップしてくれます。軽いランニングやストレッチなど運動習慣を身につけましょう。

(Point2)リラックスタイムを意識して設けストレスコントロールを
心身のストレスや、自律神経の乱れは肌のゆらぎに直結します。夜はアロマディフューザーで香りを楽しんだり、お風呂にゆっくり浸かったりして、1日の終わりにオフの時間を作りましょう。
(Point3)良質なオイルを取ってセラミドの生産を
肌の水分保持の80%を担っているといわれている、うるおいの元である角質細胞間脂質。この成分の半分がセラミドです。セラミドを生産するために、良質なオメガ3系のエゴマ油や亜麻仁油、オメガ9系のオリーブオイルなどを取り入れましょう。

・目周りのメイクはNG?
ちょっと目がかゆい程度なら、大丈夫ですが、鼻水が出ていたり目の周りが真っ赤になっていたりするなら、アイメイクはお休みをしましょう。クレンジングの刺激が、症状を悪化させます。

・メイクをするときはここに注意
洗顔やクレジングの負担が軽くなるように、ベースメイクは重くしないのが鉄則。お湯や洗顔料のみで落とせるような、軽めのものだと安心です。パウダーファンデーションを使う場合は、付属のスポンジではなく、パウダー用のふかふかのパフに替え、肌にスタンプ塗りで摩擦をダウン。指で塗る場合は、人差し指だと力入りすぎるので、力があまり入らない薬指でやさしくタッチを。メイクブラシを使うなら、素材にこだわりましょう。肌当たりのよい獣毛タイプがベターです。

・UVケアはプロテクター効果があるものを
最近では、日焼け止めにも花粉をブロックする処方のものも登場しています。そういうアイテムをプラスして、花粉が肌に付着するのを防ぐのも予防策としておすすめです。
『ラロッシュポゼ UVイデア XL 30g』 \3,400(税抜き)
UVA、UVBを幅広くカバーし、白く残らないため、化粧下地としてご使用いただけます。日常のお手入れにおすすめしたい日焼け止めです。

・かゆみが止まらない場合は?
かゆい部分を冷やしてあげましょう。小さい保冷剤にハンカチを巻いて皮膚温を下げると、かゆみが沈静化します。あくまで緊急対策として行い、あとは皮膚科で治療してもらいましょう。

・マスク蒸れと併発した場合は?
マスクの長時間着用で、マスク内部がムレて肌の環境が劣悪になる場合もあります。不織布マスクの繊維が水分や油分を吸ってかなり乾燥するので、シルクやコットン製に変えたほうが◎。花粉ブロック力を高めるなら、不織布と二重にしましょう。

・日中もブロックを
マスクから露出しているおでこや目まわりなどは無防備です。軽めのファンデーションを塗ってセカンドスキンを作ったり、花粉の付着を防ぐスプレーを使ったり。アレルゲンに触れない工夫をしましょう。

是非ご参考になさってください。


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