雑誌『up PLUS/アッププラス』2019年4月号(3月12日発売 掲載ページP76~77)
特集「2019春"ゆらぎ"からの脱出宣言」に慶田院長の監修記事が掲載されました。
Q.そもそもゆらぎ肌ってなんですか?いろんな不調が出ているとゆらいでいることになるの?
A.外部刺激によってトラブルを抱えた肌のこと。症状のレベルは幅があり、「メイクのりが悪いかな?」という程度から発疹まで様々。
肌は、気温や湿度、紫外線や外気に含まれる物質など、多くの外部刺激によりストレスを受けています。そんな刺激から肌を守る"バリア機能"が正常に働いていれば、肌はなかなかゆらぎません。でも、バリアが脆弱になっていると、その隙間から刺激物が侵入してトラブルが表面化。赤みが出たり、かゆみを感じたりする分かりやすいトラブルはもちろん、"ファンデーションのノリが悪い"のも、このシグナルです。
ゆらぎ肌=炎症起こした肌。これを何度も繰り返していくと、老化もどんどん早まってしまいます。
Q.何が原因で肌はゆらぐの?ゆらぎやすい時期ってあるんですか?
A.バリア機能が脆弱だと肌が異物に過剰に反応します。冬の乾燥肌によりバリア力が低下している春が1年のうちでもっともゆらぎやすいのです。
特に外部刺激について言えば、現代では大気汚染物質(PM2.5など)や花粉による肌トラブルが多いですね。アレルギーと呼ばれるものは、特定の物質に対して抗体ができると、体はそれを記憶し(メモリーT細胞)、次に接触した際は必ず反応して攻撃してしまうのです。その過剰な反応が、くしゃみだったり、肌の赤みだったり、いろいろなカタチとして表れます。ゆらぎやすい時季はやはり春です。誰もが乾燥する冬は、肌のバリア力が弱まっています。そこに、花粉をはじめとした大気汚染物質が飛んでくるので、今こそ注意が必要なのです!
実は、花粉自体じゃなく弾けた花粉がヤバかった!
花粉そのものの粒子は結構大きくて、約30μm。肌の内部には侵入できないサイズです。でも、花粉はその周りにCRYJ1、その内部にCRYJ2というアレルゲンを抱えていて、空気中に漂う大気汚染物質や黄砂とぶつかると破裂し、アレルゲンが撒き散らします。これが目や鼻、喉、そして肌に悪さをするのです。通常破裂する花粉は総計の2割程度ですが、大気汚染物質の多い都会などでは、総計の約8割が破裂しているといわれています。
バリア機能が弱まると"バリア"に隙間ができ、必要な水分の蒸散を招きます。また、通常なら跳ね返していたアレルゲンなどの異物がそこから侵入し、肌トラブルの原因になるのです。
【代表的なアレルゲンリスト】
●花粉
春はスギやヒノキ、夏はイネ科の植物、夏はブタクサなど、季節により種類はさまざま。
●大気汚染物質
主に、自動車や工場から排出される煙やガスのこと。PM2.5などの微粒子物質がより問題に。
●ハウスダスト
ほこりやカビ、ダニの死がい、ペットの毛など。室内に蓄積・浮遊する、いわゆる小さなゴミ。
自分が何に反応するのか知っておくのもゆらぎ肌対策のひとつ。
苦手なものを把握しておけば対策ができ、ちょっとゆらいでも「アレかな?」と冷静な対処ができるようになります。病院での検査のほか、最近では検査キットなどもあるので試してみては。
Q.毎日の生活の中で気をつけるべきことを教えてください
A.アレルゲンを部屋に持ち込まず、付着物は早急に落とす!
もともとアトピー性皮膚炎がある人は、より肌状態のコントロールがしにくくなります。もともとバリアが脆弱な人ほど、肌の奥まで簡単にアレルゲンが入っていくので、アレルゲンに長時間触れないことを意識するのが良いですね。
☑食事
最大の免疫機関と言われ、腸内環境整えるヨーグルトは、アレルギー症状をやや緩和するとされているのでオススメ
☑窓
この季節は、できるだけ窓を開けないのが賢明。あけたら掃除を怠らないこと
☑洋服
花粉が付着しにくいのは、ツルッとした素材のもの。ナイロン素材のアウターを1着持っておくと良いですね。髪はコンパクトにまとめておきましょう。
☑洗濯物・布団
洗濯ものは室内干し、布団も布団乾燥機を使って外気にはさらさずケア
☑掃除
夜に掃除をすると床に沈殿していたほこりや花粉などを舞い上げて、就寝中に吸い込んでしまうことに。掃除は朝におこない、夜はホコリ舞いあげないように過ごして。
☑空気清浄機・エアコン
在宅中は空気清浄機のスイッチをオン。エアコンはフィルターの掃除を忘れずに。部屋が汚れているとエアコンの風でそれらが舞って調子が悪くなることも。
☑入浴
帰宅後、すぐに入浴すると付着物をいち早く除去できて良いですね。肌がゆらいでいるときは長湯を避け、さら湯ではなくセラミドが配合された入浴剤の活用を。
☑帰宅時
玄関のドアを開ける前に、服をパンパンと払って付着物を落としましょう。外気に触れていた洋服は部屋(特に寝室)に持ち込まないほうが良いため、コート類は玄関にかけておいて。
Q.肌がゆらぐ前に気をつけると良いことは?
A.摩擦に気をつけてケアをすることと、自分なりの"お守りコスメ"を持っておくこと。
バリア機能を弱めないためには、とにかく刺激を避けましょう。やさしく洗い、落ち着いてケア。洗浄力の低いものでも落ちるようなコスメを使ったり、これなら私は絶対にかぶれないというアイテムを備えておいたりするといいでしょう。ゆらいだ肌に、一発逆転を狙ってもいつもと違うコスメを使うのは逆効果なのでNGです。
Q.肌がテカると、かゆくなる気が...関係ある?
A.自分の皮脂も、酸化すると刺激物になります。
皮脂膜はバリア機能のひとつとして必要ですが、皮脂がギラギラ出ているからといって肌が十分潤っているというわけではありません。過剰に分泌された皮脂は、酸化すると過酸化脂質という角層を刺激したり、活性酸素を生んだりする物質に変化してしまいます。
Q.急にかゆい!でも病院に行くヒマがない!どうしたら!?
A.処方薬に成分が近い市販薬で1日〜2日対応を。
炎症の程度は軽い人は、緊急対策としてバームや軟膏系のもので抑えて。かゆみをともなう場合は高度の炎症。皮膚科にかかれば弱めのステロイド薬を処方してくれるはずです。症状を長引かせるより、弱めのステロイドを短期間使ったほうが結果的に肌負担は少なく、治りも早いのです。
例えば消炎・鎮痒作用を持つ酢酸デキサメタゾン、かゆみを伴う湿疹・皮膚炎・かぶれに効果的なステロイドの1種であるプレドニゾロンなど、処方薬と似た成分の市販薬を覚えておきましょう。
Q.ゆらぎ対策には、メガネ&マスクがやっぱり良いの?
A.そうですね。マスクは肌に優しい素材を選んで。
物理的にアレルゲンに触れなければ、なかなか肌はゆらぎません。目はかゆみのせいで傷をつける可能性があり、コンタクトよりメガネを推奨しています。マスクも物理的なブロックに有効。肌に当たる側の不織布にこだわりのあるものがベター。
Q.肌がゆらいでいる時、気をつけた方が良い成分は?
A.ヒリヒリ、ピリピリするもの全般。
気をつけた方が良い成分は、アルコール系です。エタノールが配合されている化粧品が多くあると思いますが、刺激の一因になります。ゆらぎが軽い状態なら、ターンオーバー&バリア機能を整えるのにレチノールが効果的な場合もありますが、効きすぎるとトラブルに。湿疹が出ているときは避けた方が良いでしょう。
Q.日中も保湿に気をつけた方が、ゆらぎ対策になる?
A.そうですね。肌乾燥はバリア機能の低下につながるので、保湿は大切です。
乾燥した状態が続くと、肌のバリア機能は着実に下がっていきます。室内の温度は60〜65%に保つのが良いですね。また、日中はメイクの上からでも保湿できるようなコスメで乾燥対策すれば、バリア機能の低下防止になります。
Q.クリニックでできるゆらぎ肌治療を教えて
A.NEWマシン『プラズマシャワー』は症状がかなり好転します
このマシンの魅力は、"経皮ドラッグデリバリーシステム"という"薬剤を確実に浸透させる効果"と肌表面の殺菌効果です。プラズマは、個体→液体→気体→プラズマという位置づけで、第4の物質といわれるイオン化した気体。肌に照射している間、痛みは全くありません。照射後に浸透させる薬剤の種類は、目的によって選べます。
【プラズマシャワー オススメの薬剤】
炎症を抑えたい!▶ トラネキサム酸
イオン導入のメニューでも定番の薬剤。『プラズマシャワー』の高浸透&殺菌力の相乗効果で、イオン導入より効果実感がグンとアップ。
エイジングもしたい! ▶骨髄幹細胞培養エキス
10代ですでに減少し始めている幹細胞由来のサイトカインを浸透させて肌の再生力を底上げ。表皮の炎症抑制効果もあるためゆらぎ肌にも◎
当院ではプラズマシャワートライアル20,000円〜お受けいただけます。
是非、ご一読ください。
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