雑誌『VoCE/ヴォーチェ』2018年1月号(11月23日発売 掲載ページP231~237)
特集「つらい季節を乗り切る秘策を教えます!今すぐできる!冬のお悩み解決し隊」に慶田院長の監修記事が掲載されました。
今回は、アラサー女子の冬にありがちな4大不調「1.冬の冷え」「2.肩こり・首コリ」「3.干からび肌」「4.冬のプチうつ」を4名の専門家が解決する特集。
慶田院長は皮膚科専門として、『干からび肌』について解説しました。
マシュマロ肌って何のこと? ボディの砂漠化がとまらない!
干からび肌
いざという時にタイツを脱ぐのをためらう、ひどく乾燥した『干からび肌』になっていませんか?実際にアンケート結果ではVOCE読者の66%以上がボディの干からび肌に悩んでいるとのこと。保湿剤を塗っても乾燥が止まらない、という声など、干からび肌対策の保湿ケアに悩んでいる方が多いようです。
触れたくなるようなうるおい肌を取り戻して、女子力をアップしましょう。
〈Caution!こんな症状もぜ~んぶ干からび肌〉
皮膚炎になる前に対処しましょう!
●肌の乾燥が招く肌症状
からだの"カサカサ""ブツブツ""ザラザラ"
●肌の乾燥を放っておくと肌トラブルに繋がる
肌のかゆみ、地割れ&赤み
〈Why?どうして乾燥するの?〉
●間違ったケア習慣が肌を干からびさせる
たかが乾燥肌と思いがちですが、乾燥状態はすなわち肌のバリア機能低下状態。バリア障害から軽微な炎症を繰り返すと肌の老化が進みます。
ですから、老化予防のためにも乾燥肌ケアは欠かせません。皮脂腺の多い背中、胸、Tゾーンに比べ、特に乾燥をしやすいのは、皮脂の分泌が少ないひざ下やひじから指先。
冬に乾燥がひどくなるのは気温と湿度の低さが原因です。外気の湿度が下がると、水分は蒸発しやすくなります。冬の室内は洗濯物が乾きやすいのと同じです。さらに、皮膚の温度が低くなると、角質層の接着状態が悪くなり、水分が蒸発しやすくなります。乾燥肌のためにも冷えは厳禁です。
その上、間違ったお風呂ケアで、干からび肌が砂漠化することも。
ボディをゴシゴシ洗うのは絶対NG。強く洗うことで角質が削れてしまうと元に戻るまでに2週間もかかってしまいます。また、顔に保湿剤を塗るように、ボディにもたっぷり保湿剤を塗りましょう。
それでも肌の乾燥が改善しなければ、炎症を起こしている可能性もあります。皮膚科医に相談して、肌にあった保湿剤やぬり薬を処方してもらいましょう。
〈How to!乾燥対策〉
●対策1
干からび地帯は泡ソープで手洗いが基本
皮脂の少ない『干からび地帯』はこすり洗いは厳禁。角質を削らないように、石けんの泡を手のひらで動かす程度にやさしく洗います。ブラシやタオルを使わず、手洗いを基本に。
はじめから泡ででてくる、泡ソープを活用すると安心です。
●対策2
干からび肌の入浴は、ぬるめのお湯で5分以内
寒くなると湯船につかる時間が長くなりがちですが、肌の干からびが気になる時の入浴は短めに。お湯に長い時間つかると、うるおいのもとになる皮脂や角質細胞間脂質が失われやすくなります。
そこで、乾燥肌対策の観点では、冬なら40~41度のぬるめのお湯に、つかるのは5分以内に留めましょう。
手荒れがひどい場合にも、入浴時間は5分までがベター。手を長くお湯につけず、水分をふいたらすぐに保湿をしましょう。
美肌イメージのある温泉ですが、硫黄など温泉に含まれる成分によっては皮脂膜を溶かしたりするものもあるので、温泉の最後に必ず上がり湯をして、保湿剤を多めに塗るようにこころがけましょう。
●対策3
入浴後の水分のふきとりはタオルを優しくあてるだけ
間違ったケアで多いのが、水分をふきとる時に、タオルで肌をこするようにごしごしとふいてしまうこと。タオルは肌にやさしくあててこすらずに水分をふきとりましょう。また、水分のふきとりが不十分だと、水が蒸発する時に角質が抱える水分も一緒に蒸発してしまい、乾燥の原因になるので注意です。
特に干からびがひどい部分には肌にタオルをやさしくあてて、水分を吸い込ませるようなイメージでふきましょう。
●対策4
保湿剤は朝晩2回、ストロークは少な目に
肌の干からび予防には保湿剤が欠かせません。お風呂から上がったらできるだけ早めに保湿剤を塗布しましょう。夜1回より朝晩2回塗ったほうが保湿効果が高まるので、乾燥予防のためにもおすすめ。また肌への刺激を最小限に抑えるため、保湿剤を肌に直接3点ほど置き、それを伸ばすように1~2往復でさっと塗るのがおすすめです。
-How to3点置き-
1. 広い面に保湿剤を置く
例えば、すね、ひじから先など、塗りたい場所の広い面に3点ほど保湿剤を置きます。
2.ストロークは1~2回
指の腹を使って、3点に置いた保湿剤を伸ばすように下から上、上から下に1~2往復させて塗ります。
-保湿剤の気になる成分-
[セラミド]
保湿成分の中でも保湿力がもっとも高いのがセラミド。水分を強力にはさみこんで保持。乾燥が気になったらセラミド入りの保湿剤を。
[尿素]
角質を溶かして肌をやわらかくする働きのある尿素。ピーリング作用があるので、アトピー素因のある方や乾燥がひどい場合には避けたほうがベター。
[多糖類・アミノ酸]
角質層がもともと持っている天然保湿成分の中に多く含まれるのが、多糖類やアミノ酸。水とのなじみがよく保水力や保湿力が高い。
●対策5
冷えると干からび肌が進行!干からび地帯の露出は厳禁
皮膚温が低くなると肌の水分が蒸発しやすくなるため、冬は乾燥しやすい脚や腕はできるだけ外気に触れないように衣類で覆うこと。素足をだすスカートや薄着のジャケットを避け、丈の長いコート、脚を出さないパンツスタイルなどでカバーするとよいでしょう。ただし敏感肌の中には温め系素材が合わない人も。かゆみを感じたら、肌に触れるインナーなどはやわらかいコットンやシルク素材を選びましょう。また、素足にムートンブーツは汗で蒸れて皮膚を冷やすので、必ず靴下着用を。
他の3つの不調「冬の冷え」「肩こり・首コリ」「冬のプチうつ」も肌の不調に直結するもの。寒い時期に向けて、からだと心のトータルケアをしましょう。
是非、ご一読ください。