WEB『なかまある』 2020年6月28日掲載
特集「40代で急増!アンダーヘアは無しがいい?皮膚科医が答えます 介護脱毛1」に慶田院長の監修記事が掲載されました。
■ケアがしやすくなるVIO脱毛
最近、将来介護される状況になった時のためにアンダーヘアの脱毛をする人が増えています。いわゆる「介護脱毛」と呼ばれるものです。施術部位は"VIO"と呼ばれる3カ所で、Vはビキニライン、Iは性器まわり、Oは肛門まわりを指します。
2017年を基準とすると、2019年にVIO脱毛を受けた患者さんの数は2.6倍に増加しています。年代としては20~50代になりますが、なかでも伸び率が高いのが40代の方々です。2019年は全患者のうち55%が40代でした。ちょうど親の介護が現実的なものになり、アンダーヘアは無い方がいいと思い始める年齢なのかもしれません。
便や尿はどうしても毛に付着します。自身できれいに拭き取れればいいですが、オムツをしている場合はそうもいきません。特に便の場合、肌とオムツの間にベッタリ広がって乾いてしまうこともあります。そうなると、ただ拭いただけでは完全には取れません。排泄物が毛にからまっていると介護の清拭の際に時間がかかるだけでなく、かぶれの心配もありますし、臭いや感染症の原因にもなります。ケアのしやすさだけでなく、健康上の観点からもアンダーヘアは無いほうが良いです。
■レーザー脱毛が受けられるのは医療機関のみ
アンダーヘアの処置には、いくつか方法があります。①カミソリで剃る、②ワックスを塗ってはがす、そして③クリニックで行う医療レーザー脱毛です。なかでも半永久的に生えないようにするのがレーザー脱毛ですが、これらにはどのような違いがあるのでしょう?
水着を着る前に、顔用のカミソリなどでビキニラインの毛を剃った経験がある人は多いと思います。ただカミソリでの剃毛は肌を傷めますし、傷から細菌や真菌が入れば感染症の心配もあります。
また、ベリッと剥がすブラジリアンワックスは、角層のバリアが一気に失われ、カミソリでの剃毛と同様に感染症のリスクが高まると同時に、毛乳頭の近傍にある毛細血管に傷がつき、炎症を起こす原因になります。ので、
抜いても剃っても時間が経てばまた毛は生えてきますあくまでも一時的な処置になります。おまけに、皮膚がダメージを受けると角層が厚くなるので、次に生えてくる毛が出られなくなり、埋まったままとぐろを巻く"埋没毛"になりやすく、見た目が黒くボツボツ見えます。さらに埋没毛ができた部分は、毛嚢炎(もうのうえん)による炎症が起こりやすくなります。
当院では、安全かつ確実に脱毛できるクリニックでの『医療レーザー脱毛』をおすすめします。レーザーでの永久脱毛が受けられるのは医療機関のみです。医師、または医師の監督のもとで看護師が施術する場合に限って行える処置です。
皮膚科専門医がいるクリニックで施術を受ければ、肌にトラブルが起きた際にもすぐに対処してもらえるので安心です。また老人性のイボがあれば手術で取ったり、ホクロがあれば悪いものではないかチェックしてもらえたりと、副次的なメリットもあります。
■介護脱毛に適した年齢は40~50代前半
レーザー脱毛とは、メラニン色素に選択的に反応する医療用レーザーを、毛と毛母(毛の根元にある毛を作る器官)に照射し、強い熱エネルギーで毛の生える組織を破壊するというものです。黒い色素にのみ反応するので、白髪には効きません。VIO脱毛を考えている人は、アンダーヘアの白髪が目立たない40~50代前半に済ませておくのがベストです。
レーザー脱毛を受けて頂くと、ほとんどの人は9割5分無くなります。照射は毛の生える周期に合わせて1~2カ月に1度、5~8回受ければ、よほど濃い人でない限り無毛の状態になります。レーザー脱毛をする直前にシェーバーなどで剃毛する必要がありますが、3回ほど施術をすると毛量が半分くらいに減って毛も柔らかくなるため、剃るのも楽になります。
■どんな体勢で施術を受けるの?
VIOのうちどの部位を脱毛するかは各自の自由ですが、介護脱毛の観点から考えると、全て行うのが望ましいと言えます。ツルツルな無毛状態には抵抗があるという場合、Vは少し残し、IとOだけを完璧に脱毛するという方法もあり、日本ではこれが主流です。
欧米では"ハイジニーナ"(清潔にするという意味)と呼ばれる無毛状態が主流ですが、日本ではまだ抵抗を感じる人の方が多いようです。Vの部分の毛の残し方については、小判型、縦長、逆三角形など好みの形にできますので、事前に医師と相談してください。まずIとOだけ脱毛を済ませておき、後になってやはりVも全部いらないと思ったら、その時にあらためて照射することも可能です。
VIOレーザー処理時の体勢
■Vゾーン(ビキニライン)
仰向けに寝て、軽く足を開いていただきます。
■Iゾーン(性器まわり)
仰向けに寝て軽く足を開き、施術する側の膝を立てて外に倒していただきます。
■Oゾーン(肛門まわり)
横向きに寝て膝を軽く曲げ、お尻を突き出すような体制になっていただきます。
施術はクリーム状の麻酔を塗ってから行うので痛みに弱い人でも大丈夫です。さらに当院でレーザー脱毛に使用する『ジェントルレーズプロ(Gentle LASE Pro)』という機械は、レーザー照射と同時に冷却ガスが噴射されるので痛みも格段に軽減されています。
また、毛を減らすだけではなく、くすみが軽減すると同時に毛穴も引き締まるので肌の仕上がりがなめらかです。
●脱毛料金●
Vライン 1回¥20,000 5回¥80,000(¥16,000/1回)
Vライン 全体オプション +¥3,000
Iライン 1回¥20,000 5回¥80,000(¥16,000/1回)
Oライン 1回¥10,000 5回¥35,000(¥7,000/1回)
V I Oラインセット 1回¥45,000 5回¥180,000(¥36,000/1回)
非常にデリケートな部位ですので、安全のためにもきちんとした技術を持つ医療機関で施術を受けましょう。当院はドクター、スタッフともに全員女性です!1回目は緊張している方も多いですが、回を追う毎に皆さん慣れてきますのでご安心くださいね。
是非、ご参考になさって下さい。