WEB『なかまある』 2020年6月29日掲載

特集「あなたのVIOは大丈夫?男性も必読 味方にしたいハサミとアレ 介護脱毛2」に慶田院長の監修記事が掲載されました。

近頃、将来を見据えてアンダーヘアの脱毛をする人が増えています。いわゆる「介護脱毛」と呼ばれるものですが、クリニックへ行けない人は自宅でどのようなケアをしたらいいのでしょうか? 

■家族のアンダーヘアはハサミでカット
すでに介護年齢になっている家族のアンダーヘアを処理したい場合は、長い毛をハサミでカットするだけでも、便のこびりつきなどはかなり防げるようになります。その場合、肌を傷つけないよう気を付けながら、毛を束にして軽くねじってから切ると良いです。肌ギリギリではなく、根元から1~1.5cmのあたりを切るのがコツです。高齢になると毛量が減って生え方もまばらになってくるので、ハサミでカットするだけでもかなりスッキリするはずです。
オムツかぶれなどで肌が荒れている場合は、清拭後にワセリンを塗っておくと良いです。水分を弾きますし、汚れをきれいにする際にも拭き取りやすくなります。刺激がないので、肌が弱い人でも安心して使えます。

■若い女性の間でも高まるニーズ
現在、40~50代の大人世代はもちろん、若い女性の間でもVIO脱毛のニーズが高まっています。パナソニックの調査によると、20代女性の約60%以上の人がすでに「VIOゾーンいずれかの毛を処理している」と回答(「VIO処理に関する意識調査」WEB:20代女性 N=17200、2020年2月実施)しているそうです。
20代のうちにVIO脱毛を済ませておくメリットとしては、デリケートゾーンを清潔に保てる、性行為の際の毛の巻き込みが防げる、ナプキンかぶれの予防、はみ出しリスクの回避、などが挙げられます。幅広い世代のニーズの高まりに応える形で、メーカーからは肌を傷めないVIO専用のシェーバーが各種登場しています。ホームケアにはもちろん、レーザー脱毛前の剃毛などにも使えるので、このようなシェーバーを活用するのも良いでしょう。
ただし、注意点としては、剃毛後はバリア機能が低下し、尖圭コンジローマなど性感染症のリスクが高まることが分かっていますので、可能であれば医療レーザー脱毛をお受けください。

■VIO脱毛で気づく太ももの付け根の黒ずみ
太ももの付け根にあたる鼠蹊部(そけいぶ)やIゾーンは、もともと色素が濃く、黒ずんでいる場所です。脱毛して毛が無くなった途端、「こんなに黒かったのか!」とショックを受ける人も多いといいます。これは性ホルモンや日本人の人種的な肌の特性によるものであり、その人の洗い方が悪かったからということではありません。なかでも鼠蹊部は下着のゴムがこすれる箇所でもあるので、黒ずみやすいのです。
当院では、VIOを脱毛したついでにデリケートゾーンの黒ずみもきれいにしたいという人に、顔のシミ取りにも使用するピコレーザーという最新美白マシンで、メラニンを微粒子に粉砕する処置を行っています。
『ピコトーニング照射』は、痛みもダウンタイムも無く、3回で平均約2トーンアップします。より早い結果を求める場合は、1~2日間は細かな点状の赤みが出ることがありますが『ピコフラクショナル照射』がおすすめです。レーザー脱毛と並行して行うこともできます。

■デリケートゾーンはケアのしすぎにも気を付けて
粘膜は皮膚のバリアが薄いので、スポンジでゴシゴシ洗っては逆効果になります。手を洗いすぎると手荒れしてしまうのと同じです。入浴時にせっけんを泡立て、性器まわり(会陰部)やひだ(大陰唇~小陰唇)の部分を指でやさしく洗うだけで十分です。
肛門も同じで、ウォシュレットを強く長時間当てるのは避けましょう。排便後にウォシュレットを軽く当てて汚れを落とし、トイレットペーパーで水気を拭き取るだけできれいになります。
なお、もともと女性の腟内は、「デーデルライン桿菌」と呼ばれる乳酸菌を主とする常在菌叢(きんそう)によって、酸性に保たれています。腟壁の細胞にはグリコーゲンが蓄積されており、膣内の細菌群が剥がれ落ちた細胞内のグリコーゲンを分解して乳酸を作るので酸性になるのです。これにより、他の微生物が侵入したり増殖したりするのを防いでいます。膣内をビデで過剰に洗浄したり、洗浄剤で洗ったりすると常在菌のバランスが崩れ、細菌感染や悪臭の原因になるので膣口より中は絶対に洗わないようにご注意ください。
注)細菌性腟症
デーデルライン桿菌が減って、腸内細菌や他の皮膚常在菌が増殖した状態。灰色~淡黄色の帯下(おりもの)、腐った魚のような臭いがあります。炎症が強くないため痒くなることはあまりないですが、おりものの色とニオイが変化したら婦人科を受信しましょう。治療は消毒と腟錠などの挿入です。

家族をケアする際も同様です。粘膜を強くこすらず、便の汚れはたっぷりのぬるま湯で湿らせたタオルなどでやさしく拭き取ってください。
医療レーザー脱毛は、料金的には決して安くありませんが、フェイシャルのケアなどとは違い、いつかは終わりが来るものです。早いうちに済ませておけば、月経時や水着になる時などにいちいちわずらわしさを感じずにすみます。

健康面でもエチケット面でも、メリットの多いVIO脱毛。今のうちに施術を受けてみてはいかがでしょう?
気になる方はお気軽にご相談下さい。


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