WEB『美的.com』2019年4月24日更新
特集「女医に訊く!美的保健室へようこそ」で慶田院長監修の記事が掲載されました。
妊娠中はシミが濃くなる...?妊娠するとシミが濃くなったり増えたりするのはなぜ?
【女医に訊く#58】
前回、妊娠すると肝斑ができたり乳首やわきの下が黒ずんだりする原因ついてお話ししました。これらの肝斑や体の黒ずみは、自然に薄くなるのか?妊娠中も治療かのうか?などお答えします。
Q、妊娠したら肝斑ができた!妊娠中にフォトフェイシャルやレーザー治療できるの?
A、妊娠中はメラニン活性が高くなっている状態ですから、レーザーを強く照射すると、かえって肝斑が悪化するということもあります。治療を受ける場合は、皮膚科専門医に相談したほういいでしょう。
一般的に肝斑の治療には、光治療(フォトフェイシャル照射)やピコレーザートーニング照射(低出力レーザー照射)の照射を行います。ただし、老人性色素斑治療などで用いるレーザーの高出力治療は、肝斑へは禁忌もしくは要注意とされています。通常のシミと違い、肝斑はメラニンを作るメラノサイトがちょっとした刺激で活性化しやすい状態になっているため、誤った治療を行うとむしろ悪化する可能性があります。
また、肝斑はピコレーザートーニング照射1回で完治するものではありません。トラネキサム酸やビタミンC(のみ薬やぬり薬)、ケミカルピーリング、医療機関専用の美白剤外用などを組み合わせ、よい状態を保ちながら長くつき合っていくことが必要になります。
肝斑などの治療は、出産が終わってからでも十分間に合います。フォトフェイシャルM22照射とピコレーザーを使ってのピコトーニングがおすすめです。ただし、ピコレーザーはまだ新しい機械なので、さじ加減を誤ると、肝斑が悪化する可能性もあります。
Q、妊娠中や授乳中のシミとりは...肝斑の治療薬を飲める?
A、肝斑にはトラネキサム酸がよく効きます。トラネキサム酸は赤ちゃんも飲めるものなのですが、肝斑くらいで敢えて飲むかという問題もありますので、当院では、妊娠中や授乳中は、美白剤の外用とビタミンCを内服してもらい、日焼け止め対策を徹底していただきます。
ほかにも、イオン導入やプラズマ照射による導入など、局所だけにトラネキサム酸やトランサミンを浸透させる方法もおすすめです。トラネキサム酸の内服薬は、離乳食が始まっておっぱいの間隔が空いてきたら、授乳直後に飲むようにするといいでしょう。例えば、寝る前におっぱいをあげて夜中はミルクにしている方の場合、授乳直後に薬を飲めば、次の授乳にはほとんど影響がなくなるので、赤ちゃんも飲めるけど敢えて飲ませたくないという薬を出す場合は、そのように指示しています。1日1回だけでも飲むと、ぐんぐん良くなるのでおすすめです。ただし、どうしても心配な方は、授乳中はビタミンCとビタミンEだけにして、美白剤の外用と軽くフォトフェイシャルを当てる程度でも効果はあると思います。気になる方は皮膚科専門医に相談してみましょう。
Q、妊娠性肝斑や濃くなった体の黒ずみは消える?
A、妊娠中に濃くなった乳輪の黒ずみやわきの下の黒ずみは、出産後、ある程度は自然に薄くなります。ただし、そのスピードは人それぞれです。薄くなるまでに1年かかる人もいれば、ある程度残ってしまう人もいます。
慶田院長自身、二人目を妊娠したときに、わきの下がさざ波状に黒くなって、気持ち悪いと感じていました。レーザー脱毛済みで、毛はなかったが、ジェントルレーズ照射をしたら、さざ波の形に薄くかさぶたになってペロンと取れ、一発で薄くなりました。地道に美白剤を塗るようなケアがスキップできるので、忙しい方は、1回レーザー施術を受けてしまうのも、時短になりおすすめです。レーザー照射は顔だけではなく、鼠径部やVライン、大陰唇などにも可能とのこと。なかでも、ピコレーザーのピコトーニングとピコフラクショナルを同時に受けると、より美白効果が高まります。
黒ずみの程度にもよりますから、自然に薄くなりそうであれば美白剤だけでの治療も、濃い場合はレーザー照射をおすすめすることもあります。黒ずみを薄くする手立てはいろいろあるので、気になる方は、ぜひご相談ください。
当院の医師は、妊娠中の皮膚変化とその治療にも経験がありますので、お気軽にご相談ください。
是非、ご一読ください。