WEB『Women's Health』2020年2月5日更新
WEB『Women's Health』のビューティーカテゴリで慶田院長の監修記事が掲載されました。
どうするのが正解?一年中ツルツルかかとを保つ「正しいケア方法」
気温も湿度も低く乾燥するこの時期、気づいたら鏡餅のような"ガサガサかかと"にギョッとする方も少なくないでしょう。
【かかとがガサガサになる原因】
■乾燥による2種の脂&水分不足
"皮脂腺"がないかかとは、体の中でも特に乾燥しやすい部分です。
肌の潤いを守るバリア機能は、角層の表面を天然のクリームのように覆う「皮脂膜」と、角質細胞内でスポンジのように水を抱える「NMF(天然保湿因子)」、角質細胞間同士のすき間を埋めるように存在する「角質細胞間脂質(セラミド、コレステロール)」の3つの保湿因子で保たれています。
中でも、水分保持の8割を占める『角質細胞間脂質』の合成が不足したり失われたりすると、潤いが逃げていくばかりかバリア機能が低下します。
その細胞間脂質の成分の半分はセラミドで、コレステロールなどの脂質を材料にして作られています。つまり、肌の保湿に欠かせないセラミドを体内できちんと産生するには、良質な油分の摂取が必要ということです。ダイエットで油分を控えすぎると、肌のバリア機能が低下して乾燥など肌トラブルを招く原因になります。
■冷えが招く「肌代謝の乱れ」
冷えは血行不良を招きます。肌代謝のサイクルが乱れ、ターンオーバーがうまくいかず、乾燥した古い角質が剥がれずにどんどん溜まってしまうことも、厚く硬いかかとになってしまう原因です。
ターンオーバーの乱れは、冷えのほか、乱れた食生活や睡眠不足、ストレスなどでも生じます。
また、皮膚温度が下がると、細胞と細胞をくっつける"タイトジャンクション"という機能が低下し、かかとの角質層に留まるべき水分が蒸発しやすくなってしまいます。
このことからも、冷えが肌のガサガサを生み出す要因だということがわかります。
■かゆくない「隠れ水虫」かも
カチコチで保湿しても改善されない場合は、かかとの水虫(足白癬:あしはくせん)の可能性があります。
カビの一種である白癬菌が皮膚の角層に住みついて起こる皮膚の感染症です。最近では若い女性の間でも、ブーツの蒸れやジムや温泉のバスマットからの感染が増加中なので注意が必要です。お父さんからお子さんに水虫(足白癬)が移る、さらに放置して体部白癬として広がるという事も時々あります。
水虫=足がかゆいというイメージですが、実際はかゆみが出ないケースも多いです。ガサガサしたり、ひび割れたりする角化型の水虫は、かゆみがありません。
水虫の自覚がなく、放置してしまった結果、爪に感染し、白く濁ったり厚くなったりして、内服薬で治療しなくてはならないケースもあります。抗真菌薬は薬価が高く、内服期間も最低半年間、場合によっては1年以上と長期戦になります。心配な症状が出ているようであれば、出来るだけ早めに皮膚科でチェックしましょう。
■かかとへの過度な負担
人間が立った状態で足裏にかけている体重は約30%が足先、約70%がかかとです。体重が重い人、柔道や空手などで日常的に摺り足をする人は要注意です。かかとへ過度な負担をかけると、角質が厚くなって硬くなり、ときにはひび割れを起こしてしまいます。
また、サイズが合っていない靴を履くことで招く靴擦れ、クッション性の悪い靴なども、かかとへの負担になってしまいます。
【ツルツルかかとを手に入れるケア方法】
■3日に1回ペースで「角質除去」を
角質除去には、専用のやすりを使いましょう。もちろん、軽石や電動やすりでもOKです。行う頻度は3日に1回程度を目安にしてください。皮膚がそこまで厚くない&硬くない場合は、1週間に1回ペースの方が良いです。
削りすぎは皮膚が持つ本来の防御機能を刺激し、逆に角質を厚くしてしまうという悪循環を招きます。足パックのように一度に足裏全体の角質をベロッと剥くのも同様にあまりおすすめしません。
■「保湿」を徹底
角質除去の後は、必ず保湿しましょう。
角質が厚くなりやすい人は、角質を溶かす角質溶解作用入りのクリームをチョイスしてください。皮膚科で処方してもらう場合は、サルチル酸ワセリンが良いでしょう。サリチル酸はピーリングにも用いる薬剤で、少しずつ角質を溶かしてくれる作用があります。
市販のものであれば、ケラチナミンコーワの20%尿素配合クリームなどでもマイルドな角質溶解効果があります。
■冬は特に「保温」も忘れずに
ソックスを履いて、足を温めましょう。蒸れ予防にもなる5本指ソックスをはじめ、遠赤外線入りのソックス、もこもこソックスなどはもちろん、レッグウォーマーでもOKです。寝ている最中もこれらを愛用して、足先を冷やさないように。
〇慶田愛用アイテム〇
最後に私の使用している優秀な角質除去アイテムをご紹介します。リピ買いするほどお気に入り!ぜひチェックしてみてください。
エスティフル かかと削り(セラミック)
私はかかとの角質がそこまで厚くもなく、硬くもないので、週1回ペースでケアしています。やすりの粗さがちょうどよく、かかとに当てやすい形状なのも気に入って、もう何本も買っています。お風呂で、かかとが濡れている状態でササッと削って、使ったあとはしっかり洗い、細菌の繁殖予防によく乾かしています。
美かかとは1日にしてならずです。間違ったケアはガサガサかかとを改善するどころか悪化させることになりかねません。正しいお手入れで、一年中美しいかかとをキープしましょう。
ご参考になさってください。