ボトックス(ボツリヌストキシン製剤)について
2009年2月に厚生労働省の承認がおりて日本国内での発売が開始された「ボトックスビスタ」が美容医療界で普及しています。
ボトックス注射に使われるボツリヌストキシン製剤は、今まで全てが輸入でまかなわれており、日本で発売されるというのは大変な画期的な事です。「ボトックスビスタ」は、日本人での有効性・安全性も確認されています。
従来のボトックス注射の製剤は日本では未承認であったわけですが、レーザーや光などの美容機器やボトックスのような注入系の製剤は、そのほとんどが外国のメーカーが開発したもので、それらはFDAの認可がおりているかどうかが焦点となります。
FDAとは
FDAというのは、日本の厚生労働省のような役割を担っている、Food and Drug Administration of the United States Department of Health and Human Serviceという機関で、日本的に訳すと米国食品医薬品局となります。
審査が非常に厳しく、FDAでの認可は世界が認可したに等しいとまで言われています。
そのような側面から、美容医療界ではFDA認可が重要視されています。
ボトックスとボトックスビスタって、何が違いとは
ボトックス注射とは、ボツリヌストキシン製剤の商品名である「ボトックス」がそのまま治療名となっています。そのボトックスを作っているメーカーのALLERGAN(アラガン)が商品名であるBOTOX及びボトックスの商標登録を済ませていることから、ボトックスという言葉はアラガン以外使えなくなっています。
ボトックスビスタは、結局のところアラガン(アメリカ)から輸入していますので、「ボトックス」と「ボトックスビスタ」中身の違いはほぼありません。ですが、ボトックスはあくまでも「個人輸入」の枠で、ボトックスビスタは日本の製薬会社から「発売」されていて厚生労働省の承認を得ている製剤です。つまり、「国が安全性を認めている」ボツリヌストキシン製剤であるということがボトックスとの大きな違いです。
2009年に「65歳未満の成人における眉間の表情じわ」を効能・効果として、本邦におけるA型ボツリヌス毒素製剤「ボトックスビスタ®注用50単位」(ボトックスビスタ®)の製造販売が承認されましたことにより、ボトックスビスタ®を安心してご使用いただけるA型ボツリヌス毒素製剤としてご提供できることとなりました。
2010年10月現在、米国、イギリス、ドイツ、フランスをはじめ世界60カ国以上で眉間の表情じわを始めとするしわの治療への適応が承認され、広く美容医療・アンチエイジングに使用されています。
ボトックス以外のボツリヌストキシン製剤について
Allergan(アラガン)社製のボトックス(ボトックスビスタ)以外にもボツリヌストキシン製剤は販売されてますが、日本国内で承認されているのはAllergan(アラガン)社製のボトックスのみです。
一部のクリニックでは格安ボトックスを打ち出している場合は、実際にはAllergan(アラガン)社製のボトックスでは無い場合などもあるようです。
参考までにいくつかの溶剤を紹介致します。BTXAという製剤は中国のLanzhou社の製品で、やはりA型ボツリヌス菌毒素ですが、FDAの認可も欧州での販売許可も取っていません。これは製剤に豚のゼラチンを使っているようで、不測のアレルギー反応が起こることがあるといわれています。専門家の意見では、その製造過程での品質管理や安全性に疑問があるとのことです。安全性が立証されるまでは使用と避けていただきたいです。
Myobloc(マイオブロック)と呼ばれる製剤は、アメリカ製でこれはこれまでの述べてきた
ほかのボツリヌス菌と異なり、B型の毒素です。FDAの認可を美容目的以外で得ています。