特集/日常診療における美容皮膚科・美容皮膚外科のコツー私はこうしているー 光老化に対する対策   

特集/日常診療における美容皮膚科・美容皮膚外科のコツー私はこうしているー
光老化に対する対策

慶田朋子

Key words:光老化(photo aging),紫外線(ultraviolet rays),サンスクリーン剤(sunscreen products),SPF(Sun Protection Factor),PA(Protection Grade of UVA)
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
Abstract  紫外線が原因となる皮膚にみられるすべての老人性変化を光老化と呼ぶ.露出部の皮膚では生理的皮膚の老化(自然老化:chronologic aging)に加えて,光老化もみられる.
光老化は止めることはできなくとも紫外線の防御により遅らせることが可能である.サンスクリーン剤の使用はその要であることは間違いないが,限界も知ったうえで,帽子や日傘を用いた物理的な遮光,サンケアを意識したライフスタイルの確立も必要である.
 サンスクリーン剤は,自分のスキンタイプと目的に合った製品を選び,表示のSPFやPAの数値を過信せず,使用の際は適切な塗布量を守り,こまめな塗り直しや化粧直しを行うことが重要である.また,サンバーンを生じさせないレベルの少量の紫外線による影響が明らかになりつつある現在,SPF値を指標とした紫外線防御のみでは,完全にシミ,シワ,皮膚癌の発生を予防できるわけではないことも念頭に置き,一般的な指標よりも高いSPF,PA分類のサンスクリーン剤を使用する選択もある.